調査概要
近年、結婚を希望する若者たちの間に経済的不安が広がっています。株式会社サンマリエが行った調査によれば、都内に住む20歳から26歳の未婚者であるZ世代101名と、子育てをしている世帯108名を対象に結婚に関する経済的な懸念を探ることが目的でした。調査は2024年8月5日から6日の2日間で実施され、各属性の回答を集計しました。
Z世代の年収
調査結果によると、約60%のZ世代は年収が400万円未満であり、特に「200万円未満」の層が30.7%に達しています。これは、彼らが将来の生活の質について懸念を抱く主な理由の一つとなっています。大学を卒業しても安定した職に就くことが難しく、結婚に向けた準備が進められない現状があります。
必要な世帯年収の期待
Z世代が結婚後、子どもを育てるために必要だと考える世帯年収は、「400万円以上600万円未満」が最多の25.7%を占めています。実際には、これを上回る年収を持つ子育て世帯が多いものの、Z世代が考える理想と現実の間には大きなギャップが存在することが明らかになりました。
経済的負担の実感
子育てにかかる費用に関しては、Z世代の67.3%が「教育費」を最も大きな負担として挙げています。次いで「食費」や「保育費」の負担も大きいとのこと。このことから、結婚を考える上で教育制度や将来の家計の状況が重要なファクターとなっていることが示されています。
子どもに対する教育不安
とりわけ、経済的な不安としてZ世代が最も感じているのは、「子どもに高等・大学教育を受けさせてあげられない不安」であり、45.5%がこの問題を挙げています。さらに、37.6%は子どもの習い事や趣味にかかる費用を賄えないことへの懸念を持っています。これらのデータからも、若い世代が抱える教育への期待と現実の厳しさが浮き彫りになっています。
夫婦共働きの希望
調査結果によると、Z世代の67.3%は夫婦共働きを望んでおり、特に「強く望む」と答えた人が24.7%を占めています。これは、経済的な理由からできる限りの収入を確保しなければならないという切実な思いが影響していると考えられます。
子育て世帯の実態
子育て世帯への調査では、約60%が結婚前に結婚生活や子育てに関して経済的な不安を抱いていたと答えており、その後の実態についても依然として不安を感じていることが明らかになっています。特に子どもの育成においては、結婚前の期待と現実の結果が異なり、教育や生活費用に関しての不安は後を絶ちません。
ポジティブな影響
経済的不安には双方の世代で共通した課題がありますが、子育てや結婚が与えるポジティブな側面もあり、大半が「子どもの笑顔に癒される」「生活の充実感が増した」と回答しています。このことから、厳しい状況にある中でも家族を持つことがもたらす喜びや目的は大きいことが伺えます。
まとめ
調査を通じて、Z世代と子育て世帯の結婚に対する経済的不安が浮き彫りとなりました。結婚や子育ては多くの期待を伴う一方で、経済的な課題も依然として大きいのです。この状況を改善するためには、適切なサポートや政策が求められ、特に若い世代に向けた経済的基盤の強化が重要です。サンマリエの取り組みを通じて、一人でも多くの若者が安心して結婚と子育てを選択できる環境を整えていく必要があります。