トーキョーアーツアンドスペースでの新たなアート展「絡まりのプロトコル」
トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)では、8月23日から9月28日にかけて、展覧会「TOKAS Project Vol. 8『絡まりのプロトコル』」が開催されます。この展示は、国際的なアートの交流と多文化的な視点を重視し、アーティストが現代の社会やアートに対する考察を深める機会を提供しています。
展覧会概要
この展覧会は、スイス・バーゼルのアトリエ・モンディアルとの交流を記念し、過去のレジデンス・プログラム参加者から選ばれた3名のアーティストを紹介します。彼らはそれぞれ異なるテーマを持ちながら、知覚や存在についての新しい解釈を探求しています。
参加アーティストは以下の通りです:
- - モニカ・ステューダー
- - クリストフ・ヴァン・デン・ベルク
- - 中島りか
- - レオナルド・ビュルギ・テノリオ
アートと存在の揺らぎ
「絡まりのプロトコル」では人間の存在とその周囲との関係に焦点を当てています。近年、我々は人間と自然、動物、機械といった存在の境界が曖昧になる状況を目の当たりにしています。見えない微生物や菌が社会生活に大きな影響を与え、技術の発展により、知覚も再定義されつつあります。この展覧会は、そのような視点から我々の existence(存在)を考察する場です。
アーティストたちはそれぞれの手法で、デジタルメディア、サウンド、インスタレーションを用いて、これらのテーマを探求しています。彼らの作品は、単なる人間の枠を超えるだけでなく、人間であることの不確かさと豊かさについても考えさせます。
各アーティストの特色
モニカ・ステューダー/クリストフ・ヴァン・デン・ベルク
このデュオは、コンピュータ技術を駆使して、仮想と現実の境界を探る作品を制作してきました。本展では、機械に意識があるかどうかという問いに挑戦するVR作品が展示され、観客はその中で自らの存在について考えを巡らせるでしょう。
中島りか
彼女は、安楽死というテーマに取り組み、自己決定権についての考察を深めています。そのリサーチから生まれたサウンド・インスタレーションは、個人と社会、自然との関係を描き出します。デジタル技術を駆使し、複雑なテーマを視覚化する能力に注目です。
レオナルド・ビュルギ・テノリオ
自然環境中の文化と自然の関係に焦点を当て、特に菌糸の役割に興味を抱いています。彼は日本の発酵文化をリサーチし、その成果を立体作品や木彫のドローイングを通じて表現します。菌類と環境の相互関係を探る作品は、観客にとって新しい視点を提供します。
開催情報
- - 会期: 2025年8月23日(土)~9月28日(日)
- - 会場: トーキョーアーツアンドスペース本郷(東京都文京区本郷2-4-16)
- - 開館時間: 11:00-19:00 (入場は閉館30分前まで)
- - 休館日: 月曜日 (9月15日は開館)、9月16日休館
また、関連イベントとしてアーティスト・トークも開催され、日英逐次通訳も用意されています。
この展覧会は、アートを通じた新しい知覚や存在へのアプローチを提示し、多様な観点からの対話を促します。ぜひ足を運び、現代アートの可能性に触れてみてはいかがでしょうか。