いのち会議の「103のアクション」とは
2025年10月11日、大阪の関西万博会場で「いのち会議」が発表した「いのち宣言」と「アクションプラン集」。この中で特に注目されるのが、子どもたちの純粋な思いを通じて、優しさを内発的に引き出すことを目指した「103のアクション」です。この活動は、誰もが持つ良心を制限なく発揮できる社会を築くことを狙っています。
宮田運輸の変革の物語
私たちがこの活動に注目したきっかけは、株式会社宮田運輸の社長、宮田博文さんの体験にあります。2013年、同社のトラックとスクーターが接触する事故が発生し、43歳男性が亡くなるという痛ましい出来事がありました。宮田社長は、この事故をきっかけに、自社の活動を見直すことになりました。事故後、被害者の父からの言葉が心に残り、彼は「誠心誠意尽くします」と誓いました。
この事故が宮田運輸にとっての転機となり、交通安全への意識が高まりました。事故の後、彼は悲しみに暮れると同時に、物流業の重要性と人の命の大切さを痛感しました。
より良い社会を目指して
事故の経験を経て、宮田社長は従業員に対してのアプローチを見直すことになりました。最初は管理・監視の強化を試みましたが、思ったような成果が得られませんでした。そこで彼は、トラックを減らすのではなく活かす方法を考えるに至りました。運転士たちのキャビンには、子どもたちの絵が飾ってありました。この絵を見ることで、運転士自身が優しい気持ちになると同時に、トラックを見る他のドライバーたちも優しさを持つのではないかと考えました。
その結果、トラックに子どもたちの絵をラッピングした車両が誕生しました。これが「こどもミュージアムプロジェクト」と名付けられ、社内全体に広まっていきました。自社調査によると、この活動によって事故率は約40%も減少しました。
社会を変える力を信じて
現在では、このプロジェクトは宮田運輸だけでなく、薬局や工事現場、病院、飲食店など様々な分野に広がりを見せています。また、国外にも進出し、中国、ラオス、タイなどでも同様の取り組みが行われています。これまでの経験を生かし、失敗や過ちを次に生かす方針で活動を続けています。
いのち会議は、企業や地域において、誰もが持つ優しさを育む機会や仕組みを提供することを目指しています。私たちは、交通事故の減少だけでなく、優しさが溢れる社会づくりを進めていきます。50年後には、このような取り組みが「普通のこと」として受け入れられる未来を目指しています。
このように、私たち一人一人が思いやりを持ち、人と社会が生かしあうために、今後も活動を続けていきます。