108歳、世界最高齢の理容師箱石シツイさんの人生とその知恵
2023年、世界最高齢の現役理容師として名を馳せた箱石シツイさんが、待望の初著書『108歳の現役理容師おばあちゃん ごきげん暮らしの知恵袋』を2024年11月11日に発売します。この本では、彼女の長寿や活力の秘訣を語り下ろしながら、どのようにして彼女が人生を楽しんできたのかが綴られています。
箱石さんは、栃木県那須郡出身で、長い理容師のキャリアを持つ方です。12歳で理髪業に奉公し、14歳で上京してからは約94年間のキャリアを築いてきました。1944年にはご主人を失う痛手を背負いながらも、理髪店「理容ハコイシ」を1953年に開店し、70年以上にわたって営業を続けています。彼女が今もなお現役で髪を切り続け、世代を超えた顧客から愛される理由は、その人柄とプロ意識にあります。
20世紀を生き抜く中で、箱石さんは数々の困難に直面しました。戦争や家族の不幸、経営の厳しさなど、たくさんの苦労を抱えながらも、彼女は日々を前向きに生きてきました。具体的には、毎朝行う体操や、30年以上愛飲しているお茶など、健康を維持するための習慣を大切にしています。また、何事にも「ひるまず」「うらやましがらず」「あらそわず」という家訓を持ち、これが彼女の生き方の基盤になっています。
箱石さんの本書には、彼女自身の言葉が詰まり、「考えすぎない、余計なことで悩まない」ことが大事だと語ります。自分の生活を自分で管理し、周りの人々には常に感謝の意を示すことで、彼女は心豊かに生活しています。その姿勢は、他者との触れ合いや笑顔を大切にすることで、周囲に良い影響を及ぼすというメッセージにもなっています。
また、箱石さんは2021年の東京五輪において、聖火ランナーとして息子と共に走った経験を振り返り、自身の目標を持つことの大切さを説いています。108歳の誕生日にもお店に立ち続けることを計画しており、ギネス世界記録の申請も予定されています。長寿を手にした裏には、日々の生活の中で自己を律し、日常を楽しむ姿勢が大きく影響しています。
本書では、彼女がおすすめする「シツイさんの長生き毎日体操30」も紹介され、理容師業と共に維持してきた健康法が写真と共に掲載されています。読むと元気になれる、箱石さんの生き方が詰まった一冊はどの世代の人でも楽しめることでしょう。
彼女は、「いつも機嫌良く、感謝しながら生きること」に重きを置いています。忙しい日常の中でこそ、そんな余裕を持つことが必要だというメッセージが心に響きます。人生100年時代を迎え、私たちも少しの勇気と知恵をいただいて、前に進んでいきたいですね。