古野電気が近畿地方発明表彰で特許庁長官賞と実施功績賞を受賞

古野電気、近畿地方発明表彰で栄誉

古野電気株式会社は、2025年11月13日に開催された令和7年度近畿地方発明表彰で、特許庁長官賞および実施功績賞を受賞しました。この賞は、地域における優れた発明や考案を表彰し、科学技術の振興と産業の発展を推進する重要な施策です。その中で、同社が開発した『水中探知装置』が高く評価されました。

受賞の背景

受賞したのは、水中探知装置（特許登録番号第7419086号）です。この新たな技術は、魚群の探知をより効率的かつ正確に行うもので、従来の技術では困難だった魚群内部の詳細な把握を可能にしました。この改善は、漁業界における安全性の向上にも大きく寄与すると期待されています。

水中探知装置の特長

今度受賞した水中探知装置は、3次元的に水中を探知し、得られたエコーデータをもとに任意の断面における表示を行います。魚群をエコーデータとして表示する方法は従来の技術にもありましたが、魚群の内部構造を正確に把握することは難しい課題が存在していました。しかし、この新たな発明により、魚群の断面エコー画像を視覚的に表現することが可能となり、魚群の内部における魚の分布状況を容易に把握できます。

この技術の導入により、漁業者は捕獲対象の魚群規模を正確に把握できます。例えば、もし魚の数があまりにも多く、網の扱いが困難であれば、その判断が迅速かつ的確に行えるようになります。このようにして、本装置は漁業の効率や安全性を向上させる重要な役割を果たします。

企業の今後の展望

古野電気株式会社は今後も「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」を事業ビジョンに掲げ、さらなる技術革新を目指しています。同社は、1948年に世界で初めて魚群探知機の商業化に成功して以来、独自の超音波技術と電子技術を活用し、数々の革新を果たしてきました。現在では、世界90か国以上での販売ネットワークを構築し、国際的な舶用電子機器メーカーとしての地位を確立しています。

この表彰は、単なる栄誉にとどまらず、同社の技術開発への取り組みと地域産業への貢献を示すものといえます。私たちは、今後の古野電気のさらなる飛躍に期待が高まります。

受賞者の紹介

受賞にあたった技術の発明者は、古野電気株式会社開発部音響機器開発課大型ソナーグループの葛原一浩氏、西坂政浩氏、山﨑勇輝氏の3名です。また、実施功績賞は同社の代表取締役社長執行役員の古野幸男氏が受賞しました。これらの受賞者は、会社の技術革新に寄与する貴重な存在であり、今後のさらなる進展に期待したいところです。

今回の受賞は、古野電気がこれまでに培った技術の集大成ともいえるものであり、地域の科学技術の振興へ向けて大いに貢献できる成果といえるでしょう。今後の活動にも大いに期待が持たれます。