インスメッドが発表した2024年第3四半期業績
2024年10月31日、米国ニュージャージー州のバイオ医薬品企業インスメッドは、2024年第3四半期の業績とビジネスの進捗について発表しました。これにより、アリケイスや新薬ブレンソカチブに関する重要な情報が明らかになりました。
アリケイスの業績について
アリケイス®(アミカシンリポソーム吸入用懸濁液)の2024年第3四半期の総収益は、9360万ドルとなり、前年同期と比較して18%の成長を見せました。この結果は、米国、日本、欧州などの地域での売上増加を反映しています。具体的には、米国で6690万ドル、日本で2100万ドル、欧州およびその他で560万ドルを記録し、地域別では米国で13%、日本で31%、欧州で45%の成長を実現しました。
さらに、アリケイスは、慢性肺疾患患者に対する新しい治療法として順調に市場でのシェアを拡大中です。特に、ENCORE試験において新規患者登録が進んでおり、目標を上回ることが期待されています。FDAとの協議も進んでおり、肺MAC症への適応拡大に向けた迅速な承認も視野に入れています。
ブレンソカチブの進展
新たに開発中のブレンソカチブについても、2024年第4四半期には米国での新薬承認申請が予定されています。気管支拡張症患者の治療を目的としたこの薬の承認が得られれば、2025年の中盤には米国、2026年上半期には欧州、日本での上市が見込まれています。最近行われたCHEST学会では、ブレンソカチブに関する重要なデータが発表され、効果が期待される結果が得られました。
財務状況および今後の見通し
第3四半期末時点でのインスメッドの現金および有価証券は約15億ドルに上ります。また、Pharmakonとのタームローンの再交渉により資本コストの削減が行われ、さらなる資金調達も計画されています。
2024年のアリケイス売上予想は、34,000万ドルから36,000万ドルの範囲を維持しており、前年と比較して2桁の成長が見込まれています。資本コストを削減しつつキャッシュバランスを向上させる努力を続けており、バランスシートの強化に向けた取り組みが進行中です。
結論
インスメッドは、アリケイスの成長と新たな治療薬の承認に向けた着実な進展を示し、2024年を通じてさらなる発展が期待されます。特に、社員数の増加と資金調達の取り組みにより、業務の基盤強化が図られています。患者さんの未来を変える治療法の実現を目指す同社の今後の活動から目が離せません。