大日本印刷の新技術が多言語接客を支援する
大日本印刷株式会社(DNP)が新たに開発した「DNP対話支援システム」が、2024年から提供される。このシステムは、音声をリアルタイムで31言語に翻訳し、透明ディスプレイ上に文字として表示できる機能を備えています。さらには、音声認識した単語に関連する画像や動画を表示する新機能が追加され、より深い理解を促進します。
1. DNP対話支援システムの採用
このシステムが早速、日本航空株式会社(JAL)の国内5空港(新千歳空港・たんちょう釧路空港・旭川空港・大阪国際空港・関西国際空港)に導入されることが決定。これにより、空港カウンターでの情報伝達の正確性及び即時性が向上し、訪日外国人や耳が聞こえにくい方を含む全てのお客様との円滑なコミュニケーションが遂行可能になる。
2. 背景にあるニーズ
訪日外国人の急増が続く中、公共交通機関や観光地などで多言語対応が課題となっている。特に、2025年の「日本国際博覧会」開催を契機に、さらなる外国人観光客の訪問が予想されており、それに対応したスムーズなサービスが求められています。空港というインバウンドの玄関口では、字幕を表示するなどして業務の円滑化が急務です。この状況を受けて、DNPは高精度な音声認識を持つ対話支援システムを開発しました。
3. 新機能の紹介
DNPは、株式会社アイシンと共同で開発した新機能をDNP対話支援システムに追加しました:
3.1 イメージ表示機能
この機能は、音声認識されたキーワードに関連する商品説明や案内地図、動画を自動で表示します。たとえば、訪れる観光地を案内する際に地図を表示することで、映像を通じてより分かりやすい情報を伝達できます。この機能により、対話中の理解度が向上し、無駄のないコミュニケーションが確保されます。更に、待機中のディスプレイでは広告などの動画も表示可能で、デジタルサイネージとしても活用ができます。
3.2 自動言語判定機能
これにより、窓口スタッフは相手に合わせて翻訳する2つの言語を事前に設定するだけで、その後は自動的に言語を判定し翻訳が行われる仕組みです。この機能により、手動で言語を切り替える手間が省かれ、よりスムーズな対話が実現します。
4. 今後の展開
DNPはこの技術を公共交通機関、観光施設、そしてホテルなどの業界にも展開していく予定です。障がいのある方々や、様々な国籍、年齢層の人々がより簡単に情報を受け取れるよう、ユニバーサルコミュニケーションを促進し、共生社会の実現に貢献していくことを目指しています。さらに、金融機関や医療機関小売業界でも、同システムの導入を推進していく構想があります。
このように、DNP対話支援システムは、技術の進化により多様なニーズに応えることが期待されています。訪日外国人旅行者や、耳の聞こえにくいお客様など、すべての人が平等にスムーズなコミュニケーションを楽しめる未来を目指して、DNPは今後も努力を続けるでしょう。