シニア向けNISA調査
2014-01-15 14:59:05
シニア世代を対象にしたNISA調査が示す情報伝達の課題
NISA調査の背景
2014年1月にスタートする新たな金融制度「NISA」。この制度は、特にシニア世代にとって重要な資産形成手段ですが、情報の伝達がどのように行われているのか、理解されているのかが鍵となります。トッパンフォームズとシニアコムの共同調査により、NISAに関するシニア層の理解度や情報源について詳しく調査しました。
調査の目的と方法
本調査の目的は、NISAの情報がどれだけシニアに伝わっているかを確認することです。対象者は50歳から79歳の男女で、Webアンケートを通じて有効回答を713件得ました。調査は2013年12月の4日間にわたって実施され、NISAの認知度や理解度に関する具体的なデータが集められました。
認知率と理解度
調査結果によると、NISAの認知率は85%から88%と高い水準でした。これは、シニア世代の大多数がNISAの存在を知っていることを示しています。しかし、NISAの特徴や留意点についての理解は5%から7%程度にとどまっていることが判明しました。このことから、NISAの概要は知っているものの、その詳細に関しては未だ不十分であることが分かります。
特に、NISA口座の開設条件や対象商品についての理解が欠けており、これらの情報は重要であるにも関わらず、シニア層に十分な情報が提供されていないことが課題とされています。
情報の伝達手法
シニアがNISAを認知する手法としては、主にテレビや新聞といったマス媒体が多く占めていますが、NISAの特徴を理解する手段としてはダイレクトメールやインターネットが有効であり、理解を深めるためにはこうした手法の充実が必要であることが示唆されています。多くのシニアがNISAに対する認知はしているものの、正確な情報を伝えるためにはマス媒体に加え、具体的な指導を行う手法も求められます。
口座開設の状況
調査の後半では、NISAに関連する資料請求や口座開設の状況も確認されました。開始前の時点で資料請求を行ったのは約30%、既に口座を開設している人は約20%でした。特に年齢が高まると、これらのアクションを起こす割合が増加する傾向がありました。
ただし、資料請求や口座開設においては不安を感じるシニアも多く、特に初歩的な手続きや、投資に関する情報が不足していることで疑問を抱いている人が多いことが分かりました。一部からは、制度を理解しないままで手続きを進めてしまったという声も上がっており、情報伝達の在り方に改善が必要であることがうかがえます。
調査結果からの考察
本調査を受けて、NISAに対するシニアの認知度は高く、一定の関心があることが確認されました。しかし、これからの利用に向けて情報の理解を深め、シニアに寄り添った適切な情報伝達が重要であると考えられます。今後は、金融機関とシニア世代の間でのコミュニケーションの改善が期待され、そのための具体的な手法やソリューション開発が求められます。
結論
シニア層に対するNISAの理解促進のためには、情報源の多様性とその質がポイントとなるでしょう。情報を受け取るだけでなく、理解を得るための施策が一層重要です。今後の研究も注視していく必要があります。
会社情報
- 会社名
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トッパン・フォームズ株式会社
- 住所
- 東京都港区東新橋1-7-3トッパンフォームズビル
- 電話番号
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03-6253-6000