進化する医療現場 - 新たな3次元術前計画ソフト「ZedStent-graft」
株式会社東陽テクニカの子会社、株式会社レキシーが開発した3次元術前計画支援ソフトウェア「ZedStent-graft」が、2023年4月に発売されることとなりました。このソフトウェアは、大動脈瘤治療の一環であるステントグラフト内挿術を効率的に行えるよう、術前計画をサポートします。
ステントグラフト内挿術とは
大動脈瘤は、大動脈の血管壁が弱まって膨らむ病気で、破裂すると命に関わる重大な状態です。治療方法の一つにステントグラフト内挿術があり、従来の外科手術に比べて身体への負担が少ないことで、新しい治療法として注目を集めています。この方法では、小さな切開を通じて、カテーテルを使って金属でできたステントグラフトを大動脈瘤に運び、瘤を内側から塞ぎます。
しかし、適切な治療には詳細な術前計画が不可欠で、これは通常、複雑な3次元計測と分析を必要とします。
「ZedStent-graft」の特徴
「ZedStent-graft」は、必須の計測値を迅速かつ効率的に半自動で算出する機能を備えています。具体的には、最低2つの参照点を入力するだけで大動脈の3次元モデルが生成され、さらに追加の参照点を入力することにより、大動脈瘤の始点や終点、最大部の長短径、芯線沿った長さ、アクセスルートの最小径など、術前に必要なさまざまな計測が可能になります。
さらに、このソフトウェアはステントグラフトのサイズ選定や留置位置の決定も行え、ランディング距離やオーバーラップ距離を半自動で計測します。また、ステントグラフトの形状をリアルに再現したシミュレーション機能により、医師は留置位置や形状を確認しながら微調整を行うことができます。
業務効率の向上
これまで手作業で行われていたレポート作成も自動化され、計測結果や断面図、ステントグラフトに関する情報が一目でわかるレポートが生成されます。これにより、手術前の準備時間が短縮され、外科医の業務効率も向上します。ソフトウェアはPCにインストールすることで、場所を選ばずに使用できるため、医療現場での利便性が格段に向上することでしょう。
レキシーの今後の展望
株式会社レキシーは、これまで整形外科領域での実績を持っており、自社のソフトウェアが700件以上導入されています。新たに開発した「ZedStent-graft」は、大動脈瘤の治療においても、臨床医からのフィードバックを取り入れながら機能を拡充し続ける予定です。
医療の現場で求められる効率性と正確性を兼ね備えた「ZedStent-graft」は、患者の生活の質を向上させるだけでなく、医師のパフォーマンス向上にも大いに寄与することでしょう。今後の進展にも注目です。
まとめ
「ZedStent-graft®」は、大動脈瘤治療に革命をもたらす可能性を秘めた、進化した医療ソフトウェアです。医療現場の進展を実感しながら、新しい時代の幕開けを迎えたいと思います。
詳細は
こちらから確認できます。