関西空港のバードストライク対策強化
関西国際空港、伊丹空港、神戸空港の3空港で、新たなバードストライク対策が導入されます。岡山理科大学の辻維周特担教授が開発に関わった「バードソニック」設備が、今後42基に増強されることが発表されました。この新しい装置は、鳥による被害を抑止することを目的としており、具体的には調整可能な高周波音を用います。
バードソニックの技術
バードソニックは、音波を用いて鳥を遠ざける装置です。各装置は4つのスピーカーを持ち、音を広範囲に照射します。この音は鳥にとって不快とされ、彼らが近づくのを防ぐ効果があります。昨年から試験的に2基が設置され、その効果が確認されたため、今回の増設が実現しました。特に、関空と伊丹空港、神戸空港の滑走路にそれぞれ14基、18基、10基が追加されることになります。
効果の証明
導入のきっかけは、過去のデータ分析です。特に昨年3月に設置された装置の効果が顕著に現れ、ヒバリやコアジサシといった鳥の出現数が半減しました。データによれば、照射範囲内の鳥の数は7,022羽から3,537羽に減少し、バードストライクの件数も微減したとのことです。発着回数は増加しているにもかかわらず、一定の効果を上げていることが確認されています。
研究者の見解
辻特担教授は、「バードストライクはエンジントラブルにつながる危険な事象であるため、その抑止には非常に大きな意義があります。地味な作業ですが、日本の空の安全を支える役割を果たせることを誇りに思っています」と述べています。特に、「バードソニック」の音の周波数を調整することで、特定の鳥の種類に対しても効果的に働くように作られている点が特徴的です。
今後の展望
今後、神戸空港には6月12日にさらに10基の装置が加わる予定です。これにより、関西の3つの空港における安全対策はさらに厳重になります。バードソニックの導入によって、バードストライクのリスクが大きく減少することが期待されており、旅行者や国際便の運航にとっても安心材料になります。これまで多くの業務用航空機がテロや事故を避けるための厳重なセキュリティを保持していたように、バードソニックもまた、無数のフライトの安全を支える基盤となるでしょう。
安全な空のために、新たな技術が導入されていく様子を是非、注目していきましょう。