失語症当事者たちが贈る朗読劇への挑戦
2024年10月19日(土)、品川区で「言葉に架かる虹」という新たな朗読劇が上演されます。この作品は、昨年の初公演でソールドアウトとなった伝説的な朗読劇の続編であり、今回も失語症を抱える当事者が何から何まで関わる、希少な舞台です。エンターテインメント界で活躍する俳優たちが集結し、さらに多くの観客に感動を届けることが期待されています。
公演詳細
- - 日時: 2024年10月19日(土)13:30~16:00(12:45開場)
- - 会場: きゅりあん(品川区立総合区民会館)小ホール
- - 内容:
第一部:朗読劇「言葉架かる虹」
第二部:トークショー「失語症者にとって朗読の効果とは」
3,000円(舞台鑑賞)
2,500円(アーカイブ配信)
この朗読劇は、ただ演じるだけでなく、失語症を抱える人々が自分自身の語彙を取り戻すための重要なリハビリでもあります。復帰を目指す生徒たちと一緒に、語りの力を再発見し、同じ障害を抱える人たちのために勇気を与えます。
石原由理の信念
一般社団法人「ことばアートの会」を代表する石原由理は、自身が脳梗塞を経験し失語症になった過去を持つ一方で、演劇の戯曲翻訳家としても知られています。彼女は、 パフォーマー自身が障害を抱えているという先入観ではなく、観客に「エンターテイメント」として楽しんでもらえる作品を目指しています。
失語症は、事故や脳卒中などによって失われた言葉の機能が原因で、話したり、聞いたり、読むことが困難になる状態です。そんな状況にあっても朗読に挑戦する生徒たちは、同じ境遇の仲間たちとともに物語の解釈を楽しみながら自らの言葉を取り戻していきます。これこそが、彼らが成長を遂げるための大きな一歩となります。
演者たちのプロフィール
参加する演者には、演劇集団キャラメルボックス所属の西川浩幸やミュージカル『テニスの王子様』初代主人公の柳浩太郎、企業経営者の坂田敦宏が名を連ね、各々の道を歩みながらも、朗読という新たな挑戦に向けて駆け出しています。彼らの演技を通じて、失語症という障害が持つリアルを観客に伝えることができるでしょう。
新しい光を照らす
石原は、メディアによって強調される「強い当事者像」や回復ストーリーの描写を望まず、障害を抱えたことで得た新たな視点や経験を通じて、人々に希望を与えようとしています。障害を抱えながらも笑顔を見せ、互いに助け合う姿は、多くの人々にとって勇気を与えるものです。
この朗読劇を観覧することは、単なるエンターテイメントを超え、自身の生き方や価値観を見つめ直す機会ともなるでしょう。失語症と向き合う彼らが創り出す朗読の世界に、ぜひ皆さんも触れてみてください。