IEEE、スマートグリッド向け無線データ通信の最新規格を発表!スマートメーター実装と通信信頼性向上を実現
IEEE、スマートグリッド環境整備に向けた画期的な無線通信規格を発表
2012年12月、電気電子技術者協会IEEEは、スマートグリッド環境の整備に向けた画期的な無線データネットワーキングの新しい標準規格を発表しました。この発表は、スマートメーターの実装促進と、電力網における通信ネットワークの信頼性向上に大きく貢献するものです。
新規格のポイント:スマートメーターと信頼性の向上
IEEEは、世界中の電力会社が抱える課題解決のため、IEEE 802ファミリに属する4つの無線通信技術をアップデート、そして新たな標準化プロジェクトを始動させました。これらの規格改定は、スマートグリッドにおけるデータ通信インフラの近代化を促進し、何百万もの機器を接続する大規模ネットワークの信頼性を高めることを目的としています。
具体的には、以下の4つの規格が発表されました。
1. IEEE 802.15.4g™-2012
この規格は、スマートメーターやスマートグリッドに特化した低速無線通信(LR-WPAN)の物理層(PHY)仕様を規定しています。大規模なスマートメーター展開において、キャリアグレードの無線接続性を提供し、地理的に広範囲にわたるネットワークをサポートします。既存規格では対応しきれない、長距離通信や堅牢性、互換性といった課題を克服した点が大きな特徴です。
2. IEEE 802.16™-2012
広帯域無線アクセスシステムのための無線インターフェース規格です。IPやイーサネットに対応し、マルチベンダー対応が可能となるため、コスト効率が高く、世界規模での導入が期待できます。M2M(Machine to Machine)通信にも対応しており、スマートグリッドアプリケーションとの親和性も高いです。さらに、IEEE 802.16p™-2012では、M2Mアプリケーションのサポート強化が図られています。
3. IEEE 802.16.1™-2012
広帯域無線アクセスシステム向け無線MAN(Metropolitan Area Network)高度化方式の無線インターフェース規格です。スマートグリッドにおけるM2M通信やモバイル音声通信アプリケーションに利用できる都市域ネットワークを強化し、無線インターフェースとネットワーク容量の改善を実現します。IEEE 802.16b-2012では、M2Mアプリケーションのサポート強化が図られています。
4. IEEE P802.21d™
異なる機種を含むネットワークにおける無線データ接続のハンドオーバーを可能とする新たな標準化開発プロジェクトです。ネットワークの一部が接続に失敗した場合でも、サービスの信頼性を確保するために、端末間でのネットワーク接続の維持を可能にします。
IEEEの取り組み:スマートグリッド実現への貢献
これらの新規格は、スマートグリッド実現に向けたIEEEの取り組みの一環です。IEEEは、スマートグリッドの普及拡大を促進するため、技術標準化、技術開発、そして普及啓発など、多方面からのサポートを行っています。
まとめ:将来への展望
IEEEの新規格発表は、スマートグリッドの更なる発展に大きな弾みをつけるものとなるでしょう。スマートメーターの普及や通信ネットワークの信頼性向上は、エネルギー効率の向上、電力供給の安定化、そして持続可能な社会の実現に貢献する重要な要素です。IEEEの技術革新は、未来の電力システムの在り方を大きく変え、より安全で効率的な社会の実現に向けて重要な役割を果たすことが期待されます。
会社情報
- 会社名
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IEEE
- 住所
- Piscataway, NJ, 08854-4141 USA445 Hoes Lane
- 電話番号
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