新たな液化水素ステーションが米国に登場
日機装株式会社(本社:東京都渋谷区)が連結子会社のClean Energy & Industrial Gasesグループ(以下CE&IGグループ)を通じて、米カリフォルニア州に新しい液化水素ステーションを開設しました。このステーションは、州南部に位置するサンライン交通局の水素燃料電池バスに水素燃料を供給するために設計されています。
水素ステーションの概要
今回オープンした水素ステーションは、サンライン交通局が運用する32台のバスに水素を供給します。このステーションは、35MPaと70MPaの両方の充填方式に対応しており、バスの燃料タンクが35kgの場合、わずか10分で充填が可能です。このサービスにより、サンラインは年間300万人以上の乗客に対し、安定した公共交通サービスを提供し続けることができます。
さらに、ステーションは台数制限なく連続充填ができ、24時間営業しているため、バスの定時運行にも大きく寄与します。また、今後数週間内に一般利用者向けの充填装置も導入され、自家用車と商用車向けの水素ステーションが地域で初めて開放されることになります。これにより、州内の大都市ロサンゼルスとアリゾナ州の州都フェニックス間での水素燃料電池車の利用がさらに便利になることでしょう。
日機装グループの実績
日機装グループは、水素ステーションの設計、製造、設置、運用において20年以上の実績を持っています。最大8レーンの設置が可能で、1時間あたり最大2,000kgの水素を供給することができます。水素ステーションで使用される液化水素ポンプは、2005年以降、400基以上の納入実績があり、特に米国内の移動式液化水素ステーションでは、その95%が日機装グループ製のポンプを使用しています。
CE&IGグループの背景
CE&IGグループは、クリーンエネルギーと産業用ガス市場向けに極低温機器と技術を提供するリーディングカンパニーです。世界14カ国に1,800人以上の従業員を抱え、日機装の完全子会社であるCryogenic Industries, Inc.が統括しています。
この新たな液化水素ステーションの開設は、地域の交通事情を改善し、持続可能なエネルギー供給の拡大につながる重要な一歩です。今後も日機装グループおよびCE&IGグループは、この分野におけるリーダーシップを発揮し、世界中での水素エネルギーの普及に貢献していくことでしょう。