バイオーム東京が植物相調査を開始
東京都は、株式会社バイオームと協力し、ネイチャーポジティブの実現に向けたプロジェクト「東京いきもの台帳」を進めています。このプロジェクトは、東京都内の野生生物に関する情報を体系的に集約したデジタル目録として、これからの環境保全や生物多様性の理解に寄与することを目的としています。具体的には、2025年12月16日に、東京都内に存在する植物標本の情報が115,840件も公開されることが発表されました。
東京の植物相の解明
今回公開される標本情報は、東京都内の多様な場所から集められたもので、4,179種類の植物に関する詳細が含まれています。なかでも、最も古い標本は1873年に武蔵小河内(現在の奥多摩町)で採集された「シシウド」に遡ります。このような情報は、過去の自然環境や現在の生態系の状態を理解するために極めて重要です。
東京都は、かつての渋谷における「レンリソウ」のように、過去の環境を映し出す標本を通じて、現在の都市環境の変化をリアルに体験することができます。残念ながら、現在では「レンリソウ」は絶滅種に分類されていますが、当時の渋谷にはその生息に適した自然環境があったことがわかります。
新たないきもの調査イベント
この発表の一環として、バイオームが運営するアプリ「Biome」を利用した新しいいきもの調査イベントも開始されます。参加者はアプリを用いて、冬の生物を観察し、その成果を投稿する形式で調査を楽しむことができます。調査期間は2025年12月16日から2026年2月28日まで、対象エリアは東京都内です。このイベントは、生物多様性についての理解を深めるだけでなく、市民参加型の環境保全活動を促進する役割も果たします。
誰でも参加できる市民調査団
「東京いきもの調査団」は、東京都が立ち上げた市民参加による生物調査プロジェクトです。この団体は、有識者による専門調査団と、アプリを活用した市民調査団の二つの構成から成り立っており、誰でも気軽に調査に参加できる仕組みとなっています。専門家のフロラ調査によって得られた最新の植物情報をもとに、これからの持続可能な都市環境の実現に向けた情報共有が行われます。
株式会社バイオームについて
バイオームは2017年に設立されたベンチャー企業であり、生物情報アプリ「Biome」の開発・運営を通じて、世界中の生物の分布データを集約し、生物多様性の価値を社会に広めることを目指しています。このような取り組みは、現代社会における環境教育や保全活動をサポートし、人々が自然とより良い関係を築く手助けとなることでしょう。
バイオームの活動の一環として、東京都と締結された協定も注目の的です。この協定は都民参加型のいきもの情報収集を目的としたもので、今後の活動に期待が寄せられています。詳しい情報やイベントの参加方法は公式ウェブサイトをご覧ください。
公式ウェブサイト:
この新しい取り組みを通じて、私たちの身近にある自然の魅力を再発見し、持続可能な社会の実現に向けた第一歩を踏み出しましょう。