トルコ・オルマナ村が国連に認められた魅力の理由とは

オルマナ村の魅力とその歴史

トルコの南西部に位置するオルマナ村が、国連世界観光機関（UNWTO）の2024年ベスト・ツーリズム・ビレッジに選ばれました。この村は、アンタルヤ県のタウルス山脈の麓に広がり、美しい自然景観と豊かな歴史的背景を誇っています。オルマナの魅力は、持続可能な観光と農村開発にあると言えるでしょう。

オルマナ村の歴史と文化

オルマナは、ムスタファパシャ、タラクル、ビルギ、シリンスといった他の村と共に、トルコにおけるベスト・ツーリズム・ビレッジの一つとされてきました。歴史的にはヘレニズム時代から集落が存在したこの地域は、600人程度の人口を持ち、特に地方建築の保存状態が良いことが高く評価されています。また、57年続くブドウ祭りも魅力の一つです。

持続可能性の象徴、ボタンの家

オルマナ村の象徴的な建築物である「ボタンの家」は、350年前に建てられたもので、独特の工法により作られています。この家は石積みのモルタルを用いることなく、スギと石だけで構成されており、環境に優しい持続可能なデザインが特徴です。この建築方法では、木枠がボタンのように見えることから「ボタンの家」と名付けられています。

この地域特有のスギとタールの木を用い、石を木枠で固定する工法は、地形の変動にも柔軟に対応可能です。そのため、ボタンの家は冬は暖かく、夏は涼しい快適な住環境を提供します。近年、オルマナではこのような家屋をブティックホテルとして復元し、訪問者に地元の伝統を体感できるハイライトを提供しています。

自然体験と観光アクティビティ

村の自然環境は素晴らしく、野生動物の観察やフォトサファリ、洞窟探検などのアクティビティが楽しめるスポットが盛りだくさんです。特に、展望テラスから見渡せるオルマナの風景は圧巻で、訪問者を魅了します。散策を楽しむ際には、地元のコーヒーハウスで村人の会話に耳を傾け、心安らぐひとときを過ごすこともできます。

必見スポット：アルトゥンベシク洞窟とエイニフ平原

オルマナの周辺には多くの観光名所があります。その中でも特に訪れる価値があるのがアルトゥンベシク洞窟です。トルコ最大の地下湖を有し、ヨーロッパ第3位の規模を誇ります。この洞窟では石灰岩や鍾乳石の美しい風景が広がり、訪れる人々の興味を引きます。

さらに隣接するエイニフ平原では野生のユルク馬が走り回り、その美しい風景が広がります。この地域は歴史的なシルクロードに位置し、古代遺跡も多く点在しているため、歴史愛好者にとっても魅力的なスポットです。

ブドウの故郷、オルマナの豊かな味覚

オルマナ村はブドウの産地としても有名です。訪問者はブドウ畑を巡りながら、地元で生産されたヤギのチーズと新鮮なブドウの組み合わせを楽しむことができます。毎年9月には、村のブドウ種「チャヴシュ」を祝う祭りが開催され、観光客は祭りに参加して、ブドウ栽培の知識を深めつつ美味しいグルメを楽しむことができます。

トルコ文化のダイナミズム

オルマナは、地中海沿岸地域に位置し、多彩な文化が交差する場所です。トルコ全体としても、様々な文明の影響を受けており、文化、歴史、自然が調和した観光地として世界中から多くの観光客を迎えています。2023年には5610万人の観光客が訪れ、2024年の外交関係樹立100周年を控え、さらなる注目が集まっています。