脱炭素社会実現に向けた新しい一歩
株式会社トーコーが開発した「入線ユニットシリーズ」が、2024年度のグッドデザイン賞を受賞しました。この受賞は、太陽光発電に関する技術革新が進んでいることを示す一例です。トーコーは、2023年には金属屋根用の棟換気「i-ROOFⅡシリーズ」での受賞もあり、2年連続の名誉を獲得しました。
カーボンニュートラルに向けた動き
日本政府は2030年までにカーボンニュートラルを実現するための施策を進めており、その一環としてZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)はで推進されています。特に最近では東京都が新築の中小規模建物に対し、太陽光発電の設置を義務化するなど、全国規模で設備設置を促進しようとする動きが見られます。
入線ユニットの特長と評価
今回受賞した「入線ユニット」は、太陽光発電システム用のケーブル入線部材であり、従来の施工方法からの大きな進化を遂げています。従来は、屋根の壁面からケーブルを引き込むことで外観上の美観を損ないがちでしたが、入線ユニットを使用することで、屋根の棟頂部からケーブルを屋内に通すことができます。このデザインにより、住宅外観からケーブルを見えなくし、美しい外観を保つことが可能となります。
また、この製品は約20年にわたる棟換気の技術を駆使した水密性が高く評価されており、雨水から住宅を守る強固な設計が施されています。特に、PF管(保護管)が直射日光や風雨にさらされ続けることによる経年劣化を考慮しており、屋外に露出する部分を最小限に抑えることで、破損リスクを軽減しています。これは災害に強い住宅設計の一環としても非常に有意義です。
審査員からの高評価
審査員たちは評価コメントの中で、この製品が太陽光発電のパネル設置や防水対策、さらには施工プロセスの疑問に対処している点を高く評価しています。目立たない部分でありながら、住宅やエネルギーに関する未来に大きな影響を与える可能性を秘めているとのことです。換気棟メーカーとしての理念がしっかりと表れた製品といえるでしょう。
グッドデザイン賞の意義
グッドデザイン賞は1957年に創設され、バラエティ豊かな企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として広く知られています。毎年行われるこの賞は、暮らしの質向上を目指し、社会的な課題にも目を向けたデザインの推進を目的としています。受賞した製品には「Gマーク」が授与され、多くの人々に親しまれています。
株式会社トーコーについて
株式会社トーコーは奈良県生駒市に本社を構え、棟換気や換気部材を専門とする建築資材メーカーです。1957年に設立され、以来数々の製品を市場に送り出してきました。業界内でもトップシェアを誇り、今後もより良い製品を提供し続けることで、環境問題に貢献していく意向を示しています。これからの脱炭素社会の実現に向けた彼らの取り組みは、今後も注目を集めることでしょう。