次世代のCADモデリングを実現する「MEDA」
2025年8月20日、カリフォルニア州アナハイムにて、Accelerated Komputing社はゴーデルブロック株式会社やカーネギーメロン大学などとの国際的な共同研究によって開発した新たな技術、AIマルチエージェントシステムを活用した「MEDA(Mechanical Engineering Design Agents)」を発表しました。このシステムは、自律的なパラメトリックCADモデル生成フレームワークとして、今後の設計分野を一新する可能性を秘めています。
研究体制と連携
MEDAプロジェクトは、各国の有力な研究機関および企業との連携によって成立しました。具体的には、米国のAccelerated Komputing社を中心に、株式会社ゴーデルブロック(日本・東京)、カーネギーメロン大学(米国)、ピッツバーグ大学(米国)、テキサスA&M大学(米国)、トリブバン大学(ネパール)が参加し、それぞれの専門性を持ち寄り、技術の発展を促進しました。
特に、株式会社ゴーデルブロックはマルチエージェントシステムの設計および深層学習アルゴリズムの最適化において重要な役割を果たしました。これにより、パラメトリックCADモデリングの効率化が図られ、設計意図を迅速に変更することが可能となるのです。
技術の背景と意義
パラメトリックCADモデリングは、設計ルールや寸法を基にしながら形状を生成する技術ですが、その操作には高いスキルが求められます。従来の手法では、適切な設計を実現するために長い学習が必要でした。しかし、MEDAはこの課題を解決するために、現代のマルチモーダル大規模言語モデル(MLLM)の能力を利用し、人間の分業体制を模倣した自律的マルチエージェントシステムの開発に成功しました。
MEDAの技術的成果
MEDAは「自然言語→パラメトリックCAD」の閉ループ化を実現し、設計分解、CADスクリプト生成、実行、ログ審査、画像審査を自律的に連携させることができます。この過程により、自然言語で記述された要件から直接パラメトリックな3D CADモデルを生成し、自己修正も行います。
これまでの方法と比べ、MEDAは76%の成功率が96.5%へと向上し、生成されたCADスクリプトの実行成功率も99%という高い数値を達成しました。また、CADスクリプトによるパラメータ化で生成された3Dモデルの追跡性が確保されているため、設計変更も容易に行えるようになりました。
成果の評価
このシステムは、200のプロンプトを用いて評価され、既存手法と比べてPCD(点群による距離評価)やHD(ハウスドルフ距離)でそれぞれ56.3%や37.3%の改善が見られました。さらに、各機能の導入効果も定量化され、特にScript Execution Reviewerが実行成功率を76%から93.5%へと押し上げるなど、システム全体のパフォーマンスを高めていることが明らかになりました。
まとめと今後の展望
MEDAの発表は、設計分野におけるAI技術の可能性を広げるものです。企業の生産性向上や効率的な設計変更を実現するためには、こうした技術の普及が鍵となるでしょう。今後も研鑽を続け、さらに多くの現場での実装が期待されます。
会社の概要
- - 会社名:株式会社ゴーデルブロック
- - 代表者:田中 昭雄
- - 所在地:東京都新宿区西新宿3-7-1新宿パークタワー N棟30F
- - 設立日:2023年2月
- - 資本金:100万円
- - 事業内容:科学技術計算ソフトウェア開発
- - 会社URL:godelblock.com
お問い合わせ
株式会社ゴーデルブロック
担当:込山 将大
Email:
[email protected]
この革新的なシステムがどのように設計業界を変革していくのか、今後の動向に目が離せません。