イレブンラボ、5億ドルのシリーズDを完了
米国・ニューヨークのAI音声技術企業、イレブンラボ(ElevenLabs)が、最新のシリーズDラウンドにおいて5億ドル(約780億円)の資金調達を達成したことを発表しました。これにより、企業評価額は110億ドル(約1兆7,200億円)に達し、前年から実に3倍以上の成長を見せています。この強固な財務基盤は、イレブンラボがAI音声リサーチとテクノロジーのリーダーとして急速に成長している証と言えるでしょう。
資金調達の詳細と投資家の動向
今回の資金調達は、著名な投資会社Sequoia Capitalが主導し、同社のパートナーであるAndrew Reed氏が取締役会に参加しています。また、既存の投資者であるAndreessen Horowitz(いわゆるa16z)が出資額を4倍に増額し、ICONIQも3倍に増加することを決定しました。さらにLightspeed Venture PartnersやEvantic Capital、BONDといった新たな投資家も参入しており、広範な支援を受けています。
急成長の要因と新たな取り組み
イレブンラボは、2025年末までに年間経常収益(ARR)が3億3,000万ドルを突破する見込みです。その背景には、ドイツテレコムやSquare、ウクライナ政府、Revolutなどの大企業や国による導入が急速に進んでいることが挙げられます。特に、カスタマーサポート、会話型コマース、市民向けコミュニケーションなど多様な用途で活用されていることが成長に寄与しています。
新たな戦略領域
資金調達を受けて、イレブンラボは以下の領域に注力する計画です:
- - ElevenAgentsの強化: 双方向の音声エージェントを用いたエンタープライズプラットフォームの強化。
- - 音声エージェントのアップグレード: 新しい「Eleven v3 Conversationalモデル」を導入し、よりスムーズな対話を実現。
- - 基盤研究の拡大: 感情豊かな対話モデル及び「オーディオ汎用人工知能(AGI)」の研究。
- - グローバル展開: 世界各地に現地チームを用意し、企業導入のサポートを行う。
プラットフォームの構成
イレブンラボは2022年の設立以来、テキスト読み上げ(TTS)から音声認識、効果音、ダビング、対話モデルに至るまで、研究の幅を広げています。現在は、以下の3つの主要プラットフォームを提供しています:
- - ElevenAgents: 開発者向けの音声・チャットエージェントプラットフォーム。
- - ElevenCreative: 70以上の言語で高品質なオーディオを生成できるクリエイター向けプラットフォーム。
- - ElevenAPI: 低遅延の音声インフラを提供し、10億人以上のユーザーに利用されています。
創業者からのメッセージ
共同創業者のピョートル・ダブコウスキー氏は「私たちは『まるで人間が話しているかのように聞こえる声』を作ることから始め、着実に実現しました」と述べています。また、マティ・スタニシェフスキー氏は「今回の資金調達により、対話の在り方を根本から変え、新たなエージェントを構築することが可能になります」と意気込みを語っています。
イレブンラボの急成長は、今後も新しい企業契約や革新的な技術の導入に基づいて続くでしょう。AI音声技術の未来がどう進化していくのか、今後の展開に注目が集まります。