映画『SHELL and JOINT』が海外映画祭での評価を受ける
平林勇監督の初長編映画『SHELL and JOINT』が、スラムダンス映画祭、ヨーテボリ映画祭、ロッテルダム国際映画祭の3カ国で注目を集めています。この作品は、魅力的な出演者たちと多様なテーマを通じて、観客の心に深い印象を与えました。
人間と昆虫の独自の視点
作品の中では、マペットの昆虫たちが死について哲学し、サウナで過去の記憶を語る男、そしてカプセルホテルの独特な従業員が登場します。特に「節足動物のことばかり考えている男・新渡戸」を演じた堀部圭亮や、バクテリアにコントロールされる女性を演じる筒井真理子ら総勢60人のキャストが、リアルでありながら超現実的なストーリーを力強く展開します。
海外映画祭での実績
この映画は、ロッテルダム国際映画祭では全て満席となり、現地でも多数の質問を受けました。「最近の日本映画はイマイチ」という意見も耳にしましたが、その中にも成長のチャンスを見出しています。特に、ヨーテボリ映画祭では4回連続で満席となり、観客とのQ&Aセッションも非常に温かい雰囲気の中で行われました。
スラムダンス映画祭では、観客からの技術的な質問が多く、特に使用された12mmのレンズに関して興味を持たれていました。これにより、監督自身が新たなインスピレーションを得る貴重な体験ともなりました。
平林監督の映画哲学
平林監督は、これまでの映画制作経験を通じて、商業的な目線を超え、純粋に作りたい映画を作ることの重要性を語ります。特に、ヨーロッパでは、作家が自己表現を重視し、結果として観客が豊かになる文化が形成されているという考えを示しています。
出演者のメッセージ
堀部圭亮は、作品を通じて表現される独特な死生観について、「平林作品には常に独自の死生観があり、生と死の循環を美しく描いている。命について考えさせられる作品だ」と述べています。筒井真理子も、「この映像は、日常から離れた豊かな体験を提供してくれます」とコメントし、鑑賞者に深いメッセージを伝えています。
劇場公開に向けて
映画『SHELL and JOINT』は、2020年3月27日からシネマート新宿、シネマート心斎橋にて公開される予定です。海外映画祭での好評を受けて、今後も多くの映画祭からオファーが寄せられることが期待されています。観客は、この作品がもたらす「気ままに生きる」生き物たちの愛おしさを感じ取れることでしょう。
作品情報
観ることで、すべての生き物への愛情を深められる『SHELL and JOINT』にぜひご期待ください!