空き家問題を解決する新たな道筋 京葉銀行とL&Fの提携
近年、人口減少が進む日本では、空き家問題が深刻化しています。これに対処するため、京葉銀行と株式会社L&F(以下、L&F)が提携し、空き家に関連するソリューションを提供することが発表されました。この取り組みは、地域の住環境を守り、空き家の所有者の負担を軽減することを目的としています。
提携の背景と取り組み内容
京葉銀行は、「プラスαの価値を提供し、地域の豊かな未来をともに築く」という企業理念のもと、地域課題の解決に向けた取り組みを行っています。その一環として、空き家管理や売却を希望するお客様の情報をL&Fに提供します。これにより、L&Fは顧客の空き家に関する相談対応や管理サービスをスタートします。この連携により、空き家の課題解決が進むことが期待されています。
2024年10月1日には、この新たなサービスの提供が開始される予定であり、それに先立ち、京葉銀行のマネーアドバイザー向けに「空き家の基礎研修」が実施されています。今後は地方自治体とも連携を図りながら、活動を進める考えです。
L&Fの企業理念とサービス
L&Fは、「不動産・住宅に関わる全ての人に喜びを」をテーマに、超高齢社会における不動産や住宅に関する課題解決を目指しています。2015年に始まった「日本空き家サポート」は、全国47都道府県に展開する独立系の空き家管理専門ブランドとして成長し、空き家所有者の多様なニーズに応える強固なネットワークを築いています。
さらに、認知症などを理由に自宅の売却が難しいという問題にも取り組んでおり、「家族信託の相談窓口」を通じて、全国展開を行っています。これにより、空き家管理サービスとの相互シナジーが期待されています。
空き家問題の現状
空き家の増加は地域経済に大きな影響を及ぼす問題であり、特に空き家の所有者が地元を離れているケースが多く見られます。このため、空き家に関する管理者責任が問われる状況が続いています。2023年12月には、空き家所有者に対する責任がより厳格化される改正空家対策特措法が施行され、特定空家や管理不全空家について行政指導が行われることとなります。
この法改正により、空き家管理のニーズはますます高まることが予想されます。L&Fが運営する「日本空き家サポート」の利用者の約76%が、空き家所在地の市外または県外に居住しており、管理の手間を軽減するサービスの重要性が増しています。
「日本空き家サポート」のサービス内容
「日本空き家サポート」は、空き家管理を中心に、地域の197社の不動産・住宅関連企業と連携しています。空き家所有者への相談や売却、リフォームに至るまで、包括的にサポートすることが特徴です。これにより、空き家管理契約件数は年平均約40%の成長を続けており、高い顧客満足度を実現しています。
L&Fは、IT技術を活用した「不動産管理システム」を導入し、管理業務の効率化を図っています。また、専用のWEBアプリケーションを自社で開発し、リアルネットワークとITの相乗効果で、社会的な課題解決に取り組んでいます。
このような取り組みを通じて、空き家問題の解決に向けた新たな道筋を切り拓くL&Fと京葉銀行の連携は、地域の未来に向けて大きな可能性を秘めています。