医療従事者の説明業務を効率化する「DICTOR®」が誕生!
TOPPAN株式会社は、北海道大学病院との共同研究で開発した、医療従事者の説明業務を支援するサービス「DICTOR®」を2024年7月17日より提供開始しました。
「DICTOR®」は、医師のデジタルクローンを生成し、患者や家族に対して医師本人の顔と声で説明を行う動画を、テキストデータや画像を用いて自動生成するWebアプリケーションです。
「DICTOR®」が生まれた背景
近年、医師の働き方改革が叫ばれる中、2024年4月からは医師に対する時間外労働の上限規制が施行されました。一方、患者の高齢化や医療安全への意識の高まりにより、医療現場における説明業務の重要性は増しています。
従来、説明動画制作にはナレーション音声の追加や動画編集といった作業時間、制作費用などの負担が大きいため、患者に個別対応した動画制作は困難でした。
「DICTOR®」は、このような課題を解決するために開発されました。医師は自身の音声と顔動画を登録することで、デジタルクローンを生成。患者に対して説明が必要な情報をテキストで入力すれば、医師本人の声と顔で説明動画が自動生成されます。
「DICTOR®」の主な特徴
「DICTOR®」は、以下の特徴を持つことで、医療現場における説明業務を効率化します。
リアルなデジタルクローン生成: 約20分のサンプル文章を読み上げ、1分間の顔動画を登録するだけで、医師本人の声と顔で話すようなデジタルクローンが生成されます。
簡単動画生成: テキスト入力や定型文を用いて簡単に動画を生成できます。動画生成後でも文章の修正や画像・動画の追加が可能です。
患者への動画紐付け: 診察券番号等と動画を紐付け設定することで、患者は簡単に「DICTOR®」で動画を視聴できます。
視聴実績確認: 患者の視聴実績を管理し、動画の視聴完了日時記録をPDFデータ出力できます。
実証実験で効果を実証
「DICTOR®」は、北海道大学病院での実証実験で、説明時間の短縮効果を実証しました。
入退院センターでは、説明動画導入により患者待ち時間が約4分、対面説明時間が40%短縮されました。
消化器外科では、術前説明に「DICTOR®」を使用することで、約40%の時短効果を確認しました。
今後の展開
TOPPANは、「DICTOR®」を2026年までに100以上の医療機関へ導入し、医師の働き方改革を推進するとともに、患者への説明内容の理解度向上を図り、医療の質向上に貢献していくことを目指しています。
まとめ
「DICTOR®」は、医師の負担軽減と患者への説明時間の短縮、そして医療の質向上に貢献する画期的なサービスです。今後、多くの医療機関で導入されることで、医療現場のさらなる効率化と患者満足度の向上に繋がるものと期待されます。