みらいマルシェ、鮮魚セット定期配送サービスの導入
オンライン卸売市場「みらいマルシェ」を運営するみらいマルシェ株式会社が、2025年5月13日よりスーパーマーケットや鮮魚小売店向けに鮮魚セットの定期配送サービスを開始します。この新サービスは、水揚げ環境が不安定な昨今、より多様な魚種の取引を可能にすることを目指しています。
水揚げの不安定さが生む新たなニーズ
近年の水揚げ状況は、特定の魚種の獲得が難しくなる一方で、従来とは異なる地域での水揚げが増加しています。この変化により、小売業者からも新たな取引ニーズが高まっているのが実情です。みらいマルシェでは、こうしたニーズに応えるため、定期配送サービスをはじめることに決定しました。
取引データの分析結果も顕著で、出品された魚種の数が年々増加するとともに、それに対する注文の割合も増えていることが分かりました。この現象は、不安定な水揚げ環境が影響し、少量・多品種の取引が取引先の安定を図るために求められていることを示しています。
鮮魚セット定期配送サービスの概要
「鮮魚セット定期配送サービス」は、小売業者のニーズに応じて、魚種数、サイズ、価格帯、配送頻度などを事前にヒアリングし、それに基づいて最適な産地事業者とのマッチングを行い、鮮魚セットを出荷します。この仕組みにより、小売店は手間を最小限に抑えつつ、売り場の多様化を図ることができます。また、天候不良などの影響で出荷が難しい場合でも、他地域の産地事業者との調整を通じて安定供給が維持されます。
納品前日には、オンライン卸売市場「みらいマルシェ」のアプリを通じて商品内容が通知されるため、POS登録などの準備がスムーズに進められます。
試験運用の結果
サービス開始に先立ち、2024年10月から12月には試験運用を行いました。この期間に、要望に対する反応を重ねることで、アレンジの精度が向上し、200箱の出荷を実現しました。この成功を受けて、正式なサービス化が決定しました。
特に、株式会社東急ストアの水産バイヤーである甲斐和貴氏は、「鮮魚セットの定期配送により、良い商品を手軽に仕入れられるようになった」とその効果を評価しています。彼によれば、定期的に組み合わせの提案があることで、売り場の可能性が広がったとのことです。
今後の展望
みらいマルシェは、今後さらなる出荷可能な産地の拡大を目指し、サポート体制を強化します。また、販促支援や食べ方の提案などを通じて、流通の可能性を広げる取り組みも行っていく予定です。さらに、環境に配慮し、食品ロスを減少させる流通の実現に向けても取り組みます。
新たな鮮魚の流通形態を模索し続けるみらいマルシェ。これまで以上に多様なニーズに応えることで、持続可能な水産業の未来を切り拓いていきます。