8社が連携して女性キャリア支援を進めるクロスメンタリングの取り組みとは

8社連携による女性キャリア支援の新しい試み

女性のキャリア開発支援に向けて、8社が一丸となって取り組んでいる「クロスメンタリング」が注目を集めています。アデコ株式会社を中心とするこのプログラムは、企業の枠を超えた横断的なメンタリングを通じて、女性社員の成長をサポートすることに重点を置いています。

クロスメンタリングとは？

「クロスメンタリング」とは、異なる企業から集まったメンターとメンティーが組み合わさって行うキャリア形成支援の取り組みです。メンターは業界での経験が豊かな部長クラス以上の女性、メンティーは課長クラスの女性たちです。こうしたプログラムは、2022年度に経済産業省の「企業横断型メンタリングプログラム」をきっかけに始まり、2023年度にはアデコ、パナソニックコネクト、ルネサンスの3社でスタートしました。

この経験を受けて、2024年度には参加企業が5社、そして2025年度には8社にまで拡大しました。今年度の取り組みでは、32名の参加者が約7か月間のメンタリングプログラムに参加し、1対1の対面式のセッションを通じて有意義な学びを得ることを目指しています。

目的と期待される効果

この取り組みの主な目的は、まず女性社員が自身のキャリア目標を達成するための支援を行うこと、次にメンタリングによるネットワーキングを構築し、相互支援の関係を育むことです。また、社会全体のジェンダー平等を促進することも視野に入れています。こうした観点からのクロスメンタリングは、参加者同士の貴重な交流や新たな気づきを生む場となることが期待されています。

キックオフミーティングの詳細

このプログラムは7月23日にキックオフミーティングが行われ、参加者が一堂に会しました。過去にメンターを務めた経験を持つ中坊恵美氏が、自身の体験を踏まえて参加者にエールを送り、その後メンターとメンティーとの顔合わせが行われました。この場面は、参加者にとって強い意義を持つ瞬間であり、今後の活動への期待が高まる瞬間でもありました。

各社の思い

各参加企業の代表も、このクロスメンタリングの意義を強調しました。アデコの籾山直威執行役員は、DE&I（多様性・公平性・包括性）の推進が企業文化の醸成に寄与し、女性の活躍を支える重要な施策であると述べています。また、イオンの渡邉廣之氏は、女性のキャリア支援が多様な経験を持つリーダーとの交流の場となることを期待しています。

エスエス製薬の大巻愛人事本部長は、ロールモデルとなるリーダーの不足が女性の昇進における主な障壁と指摘し、この取り組みがその解決策になると力強く発言しています。シチズン時計の宮本佳明常務も、業種を越えたメンターとの交流から新たな刺激を受ける貴重な機会について触れ、参加者にとっての意義を強調しました。

未来への取り組み

このクロスメンタリングは、単なるキャリアアップの支援にとどまらず、参加者が自分自身の可能性を広げ、より多様で持続可能な社会の形成に寄与することを目指しています。各社が協力し合いながら、女性のキャリア形成を進めていく中で、より健全な組織文化が浸透することが期待されています。今後も、参加者がそれぞれの学びを持ち帰り、自らの成長に繋げることができるよう、8社が手を取り合って取り組みを進めていきます。