阿部一二三選手が語る挑戦の楽しみ方
6月30日、高槻市立第十中学校にて、柔道家の阿部一二三選手が特別授業を行いました。彼の講演のテーマは『世界に挑む原動力 ~挑戦の楽しみ方~』。全校生徒446名が参加し、若者たちに挑戦の重要性を伝える場となりました。
特別授業の開催背景と目的
このイベントは、太陽ホールディングス株式会社が主催しました。同社は「夢のあるさまざまなモノをグローバルに生み出す」ことを目指しており、次世代を担う若者たちに、挑戦を楽しむことの意味を教える取り組みを行っています。過去にも埼玉県や大阪府の小学校で特別授業を実施しており、アスリートとの交流を通じて学生の成長を促進しています。
高槻市立第十中学校との関係も深く、特別授業は職業体験の一環として行われました。まずは宮﨑校長からの挨拶があり、阿部選手が講演を行います。
阿部選手の思いと経験
阿部選手は「6歳のときにテレビで柔道を見て、楽しそうだなと思ったことが、自分の挑戦する原点になった」と語りました。柔道を通じて、彼は多くの挑戦を経験し成長してきました。特に中学生の頃、授業後に高校に通い、自分よりも強い先輩たちと日々夜まで練習を重ねていたエピソードを交え、生徒たちに向けて伝えました。
「頂点に立ったときの喜びは、何にも代え難い」と表現する彼に、生徒たちは熱心に耳を傾けていました。
生徒たちとの質疑応答
講演後の質疑応答コーナーでは、生徒たちからのさまざまな質問が寄せられました。「試合前の緊張をどう克服するか」や「失敗への不安との向き合い方」など、具体的な内容に阿部選手は真剣に回答しました。
「緊張は克服するものではなく、むしろ受け入れるもの。試合に臨む前に、緊張と向き合うことが大切です」と話し、また「失敗は必ず次につながる学びに変えられるとポジティブに考えています」と続け、生徒たちに前向きな姿勢を促しました。
授業の締めくくりとエール
最後には、生徒たちが阿部選手に感謝の言葉を贈りました。「この授業を糧に、これからも頑張っていきたい」との言葉に、阿部選手も「小さな挑戦でも良いので、ぜひやってみてください」とエールを送り、教室は暖かい雰囲気に包まれました。
当日は、楽しさと真剣さが同居した特別な時間となり、生徒たちにとって貴重な経験となったことでしょう。彼の挑戦の物語やアドバイスは、多くの学生の心に響いたことでしょう。
阿部一二三選手のプロフィール
阿部選手は、兵庫県神戸市出身で、1997年生まれの柔道家です。66kg級の選手として、数々の栄冠を手にしてきました。中学時代には全国優勝、高校時代には講道館杯を史上最年少で制するなど、若き日の彼は常にトップに立っていました。また、近年の世界選手権でも数回金メダルを獲得し、東京オリンピックでは金メダルと銀メダルをそれぞれ獲得しています。
彼のストーリーは、挑戦を恐れず前に進むことの大切さを示しています。これからも多くの若者に影響を与えていくことでしょう。