シマ・バフース事務局長、日本訪問での成果を強調
国連女性機関(UN Women)のシマ・バフース事務局長が、12月9日から12日までの間に日本を訪問しました。この訪問は、日本とUN Womenの戦略的パートナーシップを深化させる重要な機会となりました。訪問中、バフース事務局長は、日本におけるジェンダー平等と女性のエンパワメントの推進に向けた多様な議論と合意を得ることができ、今後の取り組みを加速する意義深い成果となりました。
ジェンダー次世代フォーラムの基調講演
訪日中のバフース事務局長は、外務省が主催する「ジェンダー次世代フォーラム」にて基調講演を行いました。このフォーラムは、次世代の若者たちがジェンダー平等を達成するための力を引き出すことを目的としており、事務局長は「不平等が残る限り、望む世界を実現することはできません。しかし、若者にはその実現を可能にする力があります」と述べ、若者のリーダーシップの重要性を強調しました。
政府高官との意見交換
また、バフース事務局長は、茂木敏充外務大臣をはじめとする政府高官と意見を交わし、女性のエンパワメントに関する共通の優先課題を確認しました。その中で、女性・平和・安全保障(WPS)の分野における日本の役割と、今後の政策について議論を重ねることができました。
JICAとの歴史的な覚書の署名
中でも、国際協力機構(JICA)の田中明彦理事長との会談は特に注目を集めました。この会合では、UN WomenとJICAの初となる協力覚書(MOC)が署名され、両者の協力が一層強化されることが約束されました。この覚書は、日本の国際協力にジェンダー平等と女性のエンパワメントを統合するための重要な一歩とされています。
地方との連携の重要性
さらに、バフース事務局長は、文京区の成澤廣修区長を表敬訪問し、地方自治体との連携の重要性についても言及しました。彼女は、インクルーシブで持続可能な社会を実現するために、地元のサポートが必要であると語りました。
ビジネス界との連携
最終日には、ビジネス界のリーダーたちとの「ビジネス・リーダーズ・ダイアログ」を開催し、企業の役割について意見交換を行いました。イケア・ジャパンや資生堂など、さまざまな大手企業が参加し、ジェンダー平等推進に向けた取り組みや展望を共有しました。
結論
今回の訪問は、国際的な政策のリーダーシップと地域における活動の幅広さを示すものとなり、日本がUN Womenの重要なパートナーであることを再確認しました。バフース事務局長は、「私たちは共に国際的なジェンダー平等と女性の権利向上に取り組んでいきます」と述べ、今後のさらなる連携に期待を寄せました。日本とUN Womenの連携が、女性と女児のための社会變革を加速することを信じてやみません。