アイルランド企業GridBeyondが日本でAI活用の電力需給対応を展開

アイルランド企業GridBeyondが日本での電力需給管理にAIを活用

アイルランドを拠点とする電力テクノロジー企業GridBeyondは、2022年7月20日にアイルランドの首相ミホル・マーティン氏と会談を行い、日本におけるエネルギー市場の課題について議論します。本社はダブリンにあり、CEOはマイケル・フェラン氏が務めています。この会談では、エネルギー危機への対応や再生可能エネルギーの導入が進む未来において、日本特有の電力システムに伴う問題に焦点を当てる予定です。

現在、日本のエネルギー市場は、再生可能エネルギーの増加と電力市場の改革により、ますます複雑化しています。この変化に伴い、電力インフラの強化や効率的なエネルギー管理が求められています。マーティン首相は政府の取り組みを支援しながら、岸田文雄首相との協議を行い、エネルギー市場における協力関係の強化を目指します。

GridBeyondは、人工知能（AI）とデータサイエンスを活用して、企業のエネルギー戦略を最適化するソリューションを提供しています。現在、日本では電力需給が逼迫しているため、家庭や企業が柔軟に対応できるデマンドレスポンスサービスが注目を集めています。デマンドレスポンスとは、需要側がエネルギーの使用を調整することで、電力供給と需要のバランスを保つ仕組みです。アイルランドとイギリスではこのサービスが広く利用されていますが、日本ではこれからの導入が期待されます。

GridBeyondの取り組み

GridBeyondは、日本市場に目を向け、千代田化工建設と提携し、電力市場に向けた柔軟なソリューションを展開しています。2023年内には日本法人を設立し、さらなるサービスの提供を予定しており、日本でのエネルギー管理の支援に強い意欲を示しています。

企業は、再生可能エネルギーの導入進展などにより、需給バランスを保つために、調整力のある電源資源の必要性が高まっています。GridBeyondの提供するソリューションを利用することで、産業用設備におけるエネルギー使用の最適化が図れるだけでなく、エネルギーサービス市場へのアクセスも可能となります。

CEOマイケル・フェラン氏の見解

GridBeyondのCEO、マイケル・フェラン氏は次のように述べています。「日本は2050年までにカーボンニュートラルを実現することを目指しており、持続可能性に対する強い意識が感じられます。再生可能エネルギー、エネルギー貯蔵、EVモビリティが進展する中、デマンドレスポンスが必要不可欠になるでしょう。」

今後、GridBeyondは、各業界の特有の資産を活用し、日本のエネルギーシステムにおける価値を引き出すことを目指しています。国際的な経験を活かし、様々な地理での事例から学びながら、需要と供給の調整を行い、企業に信頼性のあるサービスを提供し、持続可能なエネルギー経済を創造していく方針です。