新たな終活意識の台頭
近年、シニア世代の「終活」に対する考え方が変化しつつあります。特に注目されているのが「遺贈寄付」の概念です。これは、自身の資産の一部または全部を、特定の社会貢献団体などに寄付することで、単なる相続を超えた新しい形の資産の受け渡しを可能にします。
遺贈寄付の現状
2025年9月から12月にかけて川崎市で開催された「相続対策セミナー」での調査によると、参加者の7人に1人、つまり約14.3%がこの遺贈寄付に対する関心を示しました。この結果は、再び注目を集める社会課題解決の手段として、遺贈寄付が存在することを証明しています。
通常、相続に関わるセミナーには70代以上が中心として参加することが多いですが、中原区でのセミナーでは40代や50代の参加者も見られました。このことは、親の相続だけではなく自らの未来を見据える「プレ・シニア層」のニーズが浮き彫りになったことを示しています。自身の資産を社会や地域に還元したいという思いが、特に現役世代に浸透しつつあるのです。
調査結果の詳細
調査で示された関心項目のトップは「遺言書の必要性(58.4%)」、次いで「相続発生後の手続き(37.7%)」でした。このことから、多くのシニア世代が家族に負担をかけたくない、つまり「守りの相続」を検討していることが確認されました。さらに、相続税対策への関心が41.2%となり、シニア世代の中に『自分の意志を遺したい』という前向きな気持ちが存在することが明らかとなりました。
現役世代のニーズに応える遺贈寄付
特に興味深いのは、中原区で見られた現役世代の姿です。税務意識が高いこの地域では、単なる相続ではなく、贈与や寄付をも考慮に入れた賢い資産の遺し方が求められています。このような地域の特性を生かした「中原区モデル」は、他の都市部でも同様の施策が採用される可能性を秘めています。
官民連携の重要性
川崎市後援の下、全11回のセミナーで193名が参加したことは、地方自治体との連携が市民の安心感を生む要素として機能したことを示しています。心理的にハードルの高いとされる相続や寄付の分野で、あらかじめ信頼できる制度が提供されることで、より多くの人々に関心を引き起こすことができました。
未来への選択肢
セミナー参加者たちへの心理的な壁をなくすためには、自治体とNPOが連携し、中立的な相談窓口を提供することが大切です。今回は、参加者から寄せられた意見を通じて、遺贈寄付が自分らしい人生の締めくくりや、残された家族や地域への配慮として、どれほど重要な手段であるかが浮き彫りになりました。
参加者の声
- - 60代女性: 「自分の終活」を考えるきっかけに。
- - 70代男性: 最後の一人になった後の安心感を得た。
- - 80代男性: 地域への恩返しをしたい。
- - 80代女性: 相続税の負担を軽減する方法を見つけた。
今後の展望
相続・不動産サポートセンターは、このモデルを全国へ拡散し、各地域の特性に応じた施策を強化していく方針です。特に、地域の課題解決に寄与できる「社会的な受け皿」を構築し、地域資産の流動化を促進していくことが求められます。どの地域でも、住民の不安を安心へと変えるために、遺贈寄付が多くの人々の心に寄り添う選択肢として位置づけられることを期待しています。
今後も引き続き、追求していきます。社会の未来を見据えた新たな形の相続。真の意義を持つ遺贈寄付の意識を広めてゆきましょう。