訪日中国人向けプロモーションサービスの新たな展開
株式会社マイクロアド(東京・渋谷)が、中国人旅行者をターゲットにした新しい広告配信サービスを開始しました。このサービスは、香港のEternityX Marketing Technology Limited社が所有する中国の旅行予約データを活用し、中国の主要SNSに向けて高精度なターゲティング広告を配信するものです。これにより、日本を訪れる中国人観光客に対して、タイミングを見計らった適切な広告配信が可能になります。
中国の旅行者数とその動向
昨今、中国政府によるビザの緩和が影響し、中国からの訪日観光客数は増加しています。2025年上半期の訪日中国人観光客は約472万人に達し、旅行消費額も約5,160億円と日本にとって重要な市場になっています。しかし、従来の広告手法ではターゲット層へのアプローチに制約があり、課題が残されていました。
新サービスの特徴と利点
マイクロアドが提供する新サービスでは、Eternity Xの9,600億を超える旅行予約データをもとに、旅マエ(旅行前)と旅ナカ(旅行中)に分けた広告配信が可能です。これにより、広告主は中国人旅行者に対して効率的なプロモーションを展開できます。具体的には、Weibo、WeChat、BiliBili、Alipayなどの主要SNSでの広告配信が行われ、公式アカウントの開設なしでも出稿できる点が大きな魅力です。
特に、契約したオープンスクリーン枠(スマートフォンアプリ起動時に表示される広告枠)への広告配信は、視認性が高く、利用者の目に留まりやすい形態です。この方式を利用した広告キャンペーンでは、接触率や来店率の計測も行い、その効果を具体的数字で示すことができます。
実績と効果の検証
実際、ショッピングモールや地方自治体において実施された広告キャンペーンでは、接触者の来店率が非接触者に比べて高くなる結果が出ています。特定の県への来訪者を促すための広告では、接触率が1.67倍、地方自治体のキャンペーンでは2.38倍も高いという成果がありました。これにより、訪日中国人観光客へのターゲティング広告が集客において有効な手段であることが実証されました。
未来への展望
マイクロアドは今後もEternity Xとの協力を深め、訪日中国人向けのインバウンドプロモーション商品の強化を図ります。さらに、他国におけるインバウンド施策にも応用していくという意向を示しています。今回の新しいプロモーションサービスは、日本の観光産業において、中国人観光客の受け入れをより円滑にし、経済振興に寄与するものと言えるでしょう。
今回の取り組みによって、広告配信の新しい形が発見され、今後の訪日観光業界における選択肢の一つとして期待が高まっています。これからのサービスの発展と成果に注目が集まります。