レゾナックが受賞したGSC賞が示す技術革新の未来
株式会社レゾナックは、経済産業大臣賞を授与されるという栄誉に輝いた。その理由は、高品質SiC(シリコンカーバイド)エピウェハーの開発と供給において、当社が果たした重要な役割にあります。この受賞は、カーボンニュートラル社会の実現に向けた技術の社会的価値が高く評価された証と言えるでしょう。
SiCエピウェハーの重要性
近年、地球温暖化や環境問題が深刻化する中で、カーボンニュートラルの実現が急務となっています。この状況下、選ばれるべきはSiCを用いたパワー半導体です。従来のシリコンベースの半導体に比べ、SiCは高耐圧、大電流、高温動作、低損失といった特性を有し、エネルギー効率の改善に寄与します。これらの特性は、電気自動車(EV)や再生可能エネルギー、さらには鉄道車両やAIデータセンター用電源などの多様な分野での活用を可能にします。
革新技術とその実績
レゾナックは、特に「第二世代ハイグレードエピ(HGE-2G)」の開発において、欠陥密度の大幅な低減を実現しました。これにより、パワー半導体の信頼性が飛躍的に向上し、100A級の大電流デバイスや車載用インバータの素子として、大きな評価を得ています。また、国内で初めて8インチ(200mm)SiCエピウェハーのサンプル出荷を開始し、実用化の加速に寄与しています。
受賞技術の社会的意義
この受賞技術には、エネルギー変革への具体的な貢献が含まれています。SiCエピウェハーを利用した高耐圧・大電流対応のパワー半導体は、今後の電動化社会に不可欠な技術です。近年の技術開発は、高度な結晶成長プロセスやAIを活用した評価技術、革新的な専用装置など、多岐にわたります。これにより、量産性と信頼性が向上しました。
当社がこの分野に取り組み始めたのは1998年で、それから20年以上の歳月が経過しました。長年の研究開発努力と共創、オープンイノベーションによって積み上げた技術基盤は、他企業との競争に置いても一歩先行する要因となっています。
展望と今後の取り組み
レゾナックは、得た受賞をただの実績としてとどめることなく、さらにその技術の発展と実用化に努めていく所存です。そして、カーボンニュートラル社会の実現に寄与するための技術革新を追い求め、持続可能な未来の一翼を担うことを目指します。
2023年7月15日、表彰式が開催され、当社の技術がより多くの人々に認知されることとなりました。今後も、業界の先端を行く企業として、持続可能な社会の形成に貢献して参ります。