1975年、小室等、吉田拓郎、井上陽水らと共に設立されたフォーライフレコード。その歴史に深く関わる泉谷しげるが、48年ぶりに「故郷」へ帰還する。
1977年にフォーライフを離れて以来、様々なレーベルで活動を続け、俳優業や絵画制作など多岐にわたる活動で知られる泉谷。その彼が、自身の音楽人生の原点ともいえるフォーライフへの復帰を決めた背景には、都内某ライブハウスでの偶然の再会があった。
当時のフォーライフ・スタッフとの再会をきっかけに、来年迎えるフォーライフ設立50周年の話題に。その中で「一緒に何かやりたい」という気持ちが芽生え、自身もその節目の年に貢献したいという思いが強まったという。
6年ぶりとなるニューアルバム「シン・セルフカヴァーズ 怪物」には、タイトルチューンとなる新曲「怪物」をはじめ、新曲「世代」、そして全国のライブハウスを巡る中でファンから多くのリクエストがあったという、泉谷自身の選曲によるセルフカバー6曲が収録される。
セルフカバーのラインナップは「Y染色体のうた」「つなひき」「春のからっ風」「国旗はためく下に」「翼なき野郎ども」「たった一人の熱き想い」と、泉谷の代表曲と言える楽曲がずらり。さらに、フォーライフへの復帰を記念して、吉田拓郎のデビュー曲「イメージの詩」のカヴァーも収録されている。
「イメージの詩」は、1995年の阪神淡路大震災のチャリティーライブで浜田省吾が歌った姿に感銘を受け、いつか歌いたいと思っていたという。歌詞は「俺(泉谷)バージョン」で歌われているとのことなので、どんな歌詞になっているのか注目が集まる。
まさに、泉谷しげるの音楽人生の集大成と言える今回のアルバム。ファンならずとも必聴の内容だ。