第57回星雲賞の受賞作発表!
2023年6月1日、日本で最も権威のあるSF賞、星雲賞の受賞作品が発表されました。今年は特に注目を集める結果となり、
日本短編部門では宮澤伊織の作品「ときときチャンネルない天気作ってみた」が選ばれました。また、
海外長編部門では、R・F・クァンの『バベル』とアレステア・レナルズの『反転領域』がダブル受賞を果たしました。このダブル受賞は、東京創元社が手掛ける作品が同時に受賞する初の快挙であり、SFファンにとっては記念すべき年となりました。
宮澤伊織の受賞作「ときときチャンネルない天気作ってみた」
宮澤伊織が描く短編作品「ときときチャンネルない天気作ってみた」は、独自の視点からマッドサイエンティストの冒険を描いています。本作の主人公である十時さくらは、配信サービス《ときときチャンネル》を運営しつつ、天気を操作したり、さまざまな実験を行ったりしながら収益化を目指します。しかし、彼女のチャンネルは存続の危機に直面し、どうにかして登録者数を500人に増やす必要があります。
この作品は、科学と創造性が交差する愉快なSFとして、全編が視聴者のコメントと配信者の口調で語られています。読者は、彼女の奮闘を見守りながら、技術によって変わりゆく世界を楽しむことができます。また、WEBコミックマガジン「電撃コミックレグルス」では、コミカライズも連載中で、多くのファンに親しまれています。
海外長編部門の受賞作
次に、海外長編部門での受賞作についてです。R・F・クァンの『バベル』は、19世紀の大英帝国を舞台に、翻訳の力が持つ影響力を描いています。主人公である少年ロビンは、英語とは異なる言語を学ぶためオックスフォード大学に入学し、言語の専門家を目指すものの、秘密結社との戦いにも巻き込まれていくというサスペンスフルな物語です。この作品は、ネビュラ賞やローカス賞を受賞しており、文学的評価も非常に高いです。
一方、アレステア・レナルズの『反転領域』は、未知の大建築物を探る探検隊の物語です。19世紀の外科医サイラスを主人公に据え、彼の冒険が展開します。物語は驚きの展開が続くサスペンスで、読者を最後まで引き込む魅力があります。
星雲賞の意義
星雲賞は、毎年開催される日本SF大会の参加者の投票によって選ばれる、日本のSF界で最も古い歴史を持つ賞です。部門は日本短編部門、日本長編部門、海外長編部門、海外短編部門、メディア部門、コミック部門、アート部門、ノンフィクション部門、自由部門の九つに分かれています。今年の受賞作は、特に新しい才能や作品に光が当たる契機となり、多くのSFファンに刺激を与えることでしょう。
この受賞を受けて、宮澤伊織やR・F・クァン、アレステア・レナルズの作品がさらなる評価を受け、多くの読者に愛され続けることを願います。SF文学界でのこれらの受賞は、未来の作家たちへの道しるべともなるでしょう。今後も彼らの新たな展開が期待されます。