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ハイケムが住友化学からのカプロラクタム製造技術の譲渡を受ける

東京に本社を置くハイケム株式会社と住友化学株式会社は、このたびカプロラクタム製造技術に関する契約を結びました。ハイケムは住友化学が持つ特許技術を受け継ぎ、中国など世界各地でこの技術のライセンス提供を行う計画です。カプロラクタムはナイロン製品の原料として広く利用されていますが、その製造プロセスは環境負荷が懸念される場面が多く、これからの製造技術においては持続可能性と効率性が求められています。

技術の詳細

住友化学が提供する技術は、気相法ベックマン転移と呼ばれ、シクロヘキサノンオキシムを原料としてカプロラクタムを高品質に製造するプロセスです。この方法は、環境に優しい特徴を持ち、従来の製造法に比べて副産物として硫酸アンモニウムを生成しないため、持続可能性が高い生命循環型の技術とされています。

ハイケムの戦略

ハイケムは技術のライセンスビジネスに注力しており、日本と中国の広範な市場関係を活かしたマーケティング戦略に基づいています。特に、合成ガスからエチレングリコールを製造するSEG®技術を利用して、中国市場で成功を収めており、世界でのライセンス契約は全体で23件、年産能力は約1,000万トンに達しています。その中には高い品質の触媒を提供する自社の工場も位置しており、技術の改良にも貢献しています。

今後の予定

今後、ハイケムはこのカプロラクタム製造技術を以て、さらなるグローバルな展開を計画しています。この取り組みは、持続可能な化学品の生産を支え、日本の技術を世界に広めることに寄与するでしょう。特に、中国では需要が高まっており、マーケットをさらに拡大させる可能性があります。

住友化学の現状

住友化学は、アグロ＆ライフソリューション、ICT＆モビリティ、アドバンストメディカル、エッセンシャル＆グリーンマテリアルズなど多岐にわたって事業を展開しています。現在、経営改善を進めており、今後のV字回復を目指した取り組みを進めています。化学業界全体の新しいビジネスモデルの構築にも寄与することが期待されます。

ハイケム株式会社について

ハイケムは、化学品を扱う商社兼メーカーとして、幅広い製品ラインを展開しています。その事業は医薬品や食品、エレクトロニクス部材まで多岐に渡っています。特にフォーカスしているのが、脱炭素技術や次世代のバッテリー技術です。持続可能な未来に向けた革新的な技術の開発を積極的に進めており、それにより社会的責任を果たす企業として注目されています。

さらに、東京港区に位置する本社や自社研究施設、触媒工場を拠点に、今後もグローバルな視野で事業を拡大していくでしょう。今後の活躍も期待されています。

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