辻真先の新作が令和の読者に贈る本格ミステリ
2023年11月20日、ミステリ界の著名作家・辻真先の最新長編小説『命みじかし恋せよ乙女少年明智小五郎』がついに発売されます。本書は、東京創元社の創立70周年を記念して書き下ろされた一作で、読み手を魅了する本格ミステリの集大成とされていることから、その注目度は高まる一方です。
この小説は、大正八年の東京・世田谷村を舞台に展開します。物語の中心には、帝国新報の記者・可能勝郎が据えられており、彼は守泉家の「むの字屋敷」を訪れることから物語が始まります。独特な形をしたこの屋敷では、祭りの一環として旅芝居「なかむら座」による『番町皿屋敷』の上演が予定されています。
勝郎は、上演日に向けて様々な登場人物と物語の背景に迫っていきますが、彼の運命は思わぬ方向へと進みます。深夜、勝郎は屋敷で発見した女性の死体が、わずかな時間の間に消失したことに驚愕します。さらに、上演後の打ち上げでは衆人環視の中で殺人事件が発生し、物語は一層緊迫した展開を見せます。この事件を明智少年と共に解決しようと奮闘する姿が描かれており、ミステリファンにとって見逃せないポイントです。
この作品では、辻真先が長年培ったストーリーテリングの技術が生かされており、歴史的背景や人間ドラマを巧みに織り交ぜながら、読み手を物語の奥深くへと引き込んでいきます。各キャラクターの心理描写は丁寧に描かれており、その過程で浮かび上がる真実が、さらにミステリーの深みを増しています。
■ 書誌情報
- - タイトル: 命みじかし恋せよ乙女少年明智小五郎
- - 判型: 四六判上製
- - ページ数: 415ページ
- - ISBN: 978-4-488-02915-9
- - Cコード: C0093
- - 定価: 2310円(税込)
- - 装画: カナリ・カナイ
- - 装幀: 石松経章
辻真先は、1932年に愛知県に生まれ、アニメや特撮の脚本家としても名高い実力者です。彼は1972年にミステリー作家としてデビューを果たし、以来数々の名作を生み出してきました。特に2009年に刊行した『完全恋愛』は本格ミステリ大賞を受賞するなど、その才能は評価されています。
最新作『命みじかし恋せよ乙女少年明智小五郎』は、彼のキャリアの集大成となる作品であり、国内外の読者を魅了する一冊です。ミステリーの醍醐味を存分に味わうことができるこの本、ぜひ手に取ってみてください。
これからの季節にぴったりな一冊として、贈り物にも最適です。