京大発のスタートアップ企業、株式会社バイオーム(以下、バイオーム)は、インドネシアの国立研究イノベーション庁(BRIN)と共同で、新たな市民科学プラットフォームによる生物多様性評価の共同開発に関する覚書(MoU)を締結しました。2026年4月8日にインドネシア現地の関係者が出席する中で実施されたこの締結は、海外展開を図るバイオームの重要なステップであり、今後の活動に大きな影響を与えることが期待されています。
MoUの意義
インドネシアは生物多様性が豊かな国ですが、森林減少や都市化の影響で生態系の劣化が懸念される状況にあります。このため、生物多様性の実情を把握するためのデータ収集と、学術研究や政策形成を支える情報基盤の構築が急務とされています。こうした背景の中で、バイオームは自社開発のアプリ「Biome」と解析ツールを活用し、市民参加型の生物データ収集を行う新しい仕組みを築くことを目指しています。これは、インドネシアの生物多様性を評価するためのプラットフォームを確立し、両国の科学とイノベーションの促進にも寄与するものです。
バイオームの代表である藤木氏は、この提携に非常に喜んでおり、インドネシアの自然については大学院時代からの深い想いがあると語りました。彼の原体験が、現在のバイオームの事業の根幹を形成しているとし、このコラボレーションを通じて自然環境の保全に微力ながら貢献できることを願っています。
連携の内容
本覚書に基づき、バイオームとBRINは以下の取り組みを進めます。1つ目は、市民科学プラットフォームの共同開発と運用です。2つ目は、生物データの収集・解析、そこから得られる科学技術や情報の共有です。3つ目には、共同研究や人材交流による研究と人材育成の推進が含まれます。
今後の展望
MoUの締結により、バイオームとBRINは具体的な協議を始め、市民科学プラットフォームの開発を進めていきます。また、インドネシアでのアプリ「Biome」の正式リリースや、生物データの収集・解析を協力して行うことで、インドネシアにおける生物多様性の可視化を目指します。これらの取り組みは、科学的根拠に基づく環境政策や保全活動に寄与するだけでなく、日本とインドネシア間の生物多様性保全に向けた連携の強化にもつながると期待されています。
BRINとバイオームについて
BRIN(Badan Riset dan Inovasi Nasional)は、2021年に公式に設立されたインドネシアの国家研究機関で、国内外のパートナーとの技術交流や人材育成を目指しています。バイオームは2017年に設立され、生物多様性の保全を社会の常識とすることを理念に、アプリ「Biome」を中心に生物情報プラットフォームの構築に取り組んでおり、さらには本格的な生物調査支援ツールや生物多様性の可視化サービスも提供しています。
こうした取り組みを通じて、バイオームは世界中の生物のデータを収集し、それを活用していくことに成功し続けています。今後も、同社の活動が生物多様性保全に寄与することを願っています。