次世代の地方創生を担う道の駅評価指標の登場
一般社団法人国際文化都市整備機構(FIACS)は、新たに「エリアクオリア・ロードサイド版」という道の駅の評価指標を開発しました。これは、観光地や地域の拠点としての道の駅の役割を強化し、その魅力や影響を可視化するための新しいアプローチです。
エリアクオリア・ロードサイド版の背景
これまでFIACSは、都市や駅周辺の評価指標として「エリアクオリア指標」を導入してきましたが、道の駅が観光や地域交流の中心となる中で、その特性に合わせた新たな評価モデルが必要とされていました。今回開発された指標は、KDDIのスマートフォン位置情報データやSNSトレンド解析を用いることで、道の駅が「どういう場所」であり「どのように機能しているか」を測定します。
道の駅の現状
日本全国には1,200以上の道の駅がありますが、これらの魅力やその役割を測る指標が従来、新たな視点の開発によって不足していました。道の駅は単なる休憩所ではなく、地域との深い関わりを持つ拠点として進化しています。これに対し、FIACSは「関係人口の育成」や地域のファンを増やすための枠組みを整えてきました。
エリアクオリア・ロードサイド版の主要な特徴
1.
回遊範囲と地域関係化スコアの可視化
車両プローブデータを用いて、道の駅を経由して周辺エリアでの動きを分析。道の駅を起点に、地域をじっくり体験する人々の動きが可視化され、新たな観光体験の推進につながります。
2.
道の駅利用者の定量化
KDDIの位置情報データを活用し、道の駅に目的を持って訪れる来客数を測定。これにより、各道の駅がもたらす地域のファン拡大の成果を具体的に把握できます。
3.
SNSトレンド分析の活用
株式会社角川アスキー総合研究所との連携により、道の駅や周辺地域に関するソーシャルメディアの原点や関心度が数値化され、どの特産品やイベントが注目を集めているかを分析します。
4.
オープンデータによる地域基盤評価
統計データを総合的に評価し、道の駅の周りのエリアの潜在可能性を包括的に把握。ハード面だけでなく、ソフト施策の効果も捉えることができます。
5.
定期的な比較と評価の実施
道の駅の交流人口や経済基盤、アクセス状況などをスコア化し、毎年評価を行います。この定点観測により、道の駅の活動の成果を具体的に認識することが可能です。
評価の具体例
例えば、「道の駅ランキング(じゃらん)」における上位10箇所についてのカルテを作成しました。その結果、従来のアンケートでは見えなかった魅力や課題が浮き彫りになりました。これにより、次世代の道の駅の可能性について新たな洞察が得られたのです。
今後の展望
FIACSではこの評価指標を更に改善し、全国各地の道の駅に拡大して試験導入する予定です。季節ごとの評価やイベントごとの施策効果を測りながら、地域コミュニティの活性化に向けた貢献度も評価していきます。単なる観光、人気ランキングにとどまらない、地域の深い魅力を可視化するための指標として、このエリアクオリア・ロードサイド版を育て、進化させていく所存です。
一般社団法人 国際文化都市整備機構(FIACS)について
FIACSは、都市や街づくりの研究と提案を行う団体で、30社以上の企業や学識者と協力しながら、ハードとソフトの両面からまちづくりに寄与してきました。今回の「エリアクオリア・ロードサイド版」は、そんな活動の一環として、地方創生の新たな一歩を踏み出すものです。