株式会社ABEJAが、国立国際医療研究センター(NCGM)が公募した「戦略的イノベーション創造プログラム(第3期)」に参加することが決まりました。このプログラムは、生成AIを活用し、統合型ヘルスケアシステムの構築を目指す国家プロジェクトです。ABEJAは、この中で日本語版大規模言語モデル(医療LLM)の開発および臨床現場での実装検証を行う共同研究開発機関として選ばれました。
このプロジェクトの中心となるのは、さくらインターネットの組織内研究所であるさくらインターネット研究所です。ABEJAは、さくらインターネットが提供する生成AI向けクラウドサービスの計算基盤を利用し、各種ユースケースに応じたシステムアプリケーションの共通基盤を開発します。そして、日本語版医療LLMの追加学習にも取り組むとのことです。
これにより、医療現場におけるデジタル化が進み、AIと人間が協力しながらより良い医療サービスを提供する可能性が広がります。ABEJAは、参画する関係各社と連携を図り、医療LLMの社会実装を進めていく考えです。この取り組みは、今後の医療サービスの質の向上や効率化に大いに寄与することが期待されます。
ABEJAは2012年に設立され、「ゆたかな世界を、実装する」という理念のもと、デジタルプラットフォーム事業を展開しています。これまでに300社以上のデジタル変革を支援してきた実績があり、AIと人間の協調を重要視する「Human In the Loop」アプローチを採用しています。
本プロジェクトは、令和6年度から研究を開始し、同年度内に成果を上げることを目指しています。具体的には、医療現場において簡便に扱える日本語版医療LLMの実装を行い、医療従事者がAIを効果的に活用できる環境を整備します。AIの導入により、診断の精度向上や医療現場の業務負担軽減が図られるでしょう。
今後、ABEJAがどのようにして研究開発を進め、医療分野におけるAIの活用を推進するのか、注目が集まります。この取り組みが成功すれば、医療の質が向上し、患者へのサービス向上にも寄与するでしょう。これからの医療の在り方がどのように変わっていくのか、期待が膨らみます。