仁和寺で初の犬殿展「金の犬殿・銅の犬殿展」開催
2025年9月12日から16日まで、京都の仁和寺御所庭園内の黒書院で「金の犬殿・銅の犬殿展」が開催されます。この展覧会は、株式会社金の犬殿製作委員会が主催し、日本の伝統建築技術を結集した作品をラインナップに体験できる特別な機会です。
犬殿シリーズの魅力とは
犬殿シリーズは、最小の建物である犬小屋を新たに表現したものであり、最上級の技術を結集して「犬殿」と名付けられました。この名称は、一般的な小屋を超えた優れた建築物であることを示しています。「金の犬殿」は、昨年の大阪・関西万博で注目を集めた作品で、ユネスコの世界無形遺産に登録された17の伝統技術を用いて構成されています。これらの技術には、「建造物木工」や「屋根板製作」、「建造物漆塗」などがあり、特に「畳製作」の技術も展示されることから、計8つの技術が紹介されます。
この展覧会のもう一つの主役である「銅の犬殿」は、作品シリーズの最初の一歩を象徴し、銅板屋根を持つことでその名が与えられました。
展示内容の詳細
「金の犬殿・銅の犬殿展」は、特に注目すべき点が多数あります。仁和寺の黒書院で開催されるこの展示は、宇多天皇の日記「寛平御記」に基づき、高貴な猫と犬たちの物語を背景に掲げられています。天皇が愛した猫への深い溺愛が書かれており、その記述は日本最古のペットのブログとも言われています。この展示では、犬殿シリーズに住まう高貴な猫や犬たちの姿が描かれます。
また、技術の背後にあるメイキング動画も展示され、訪れる人々は製作過程を目の当たりにすることができます。さらに、大阪・関西万博での展示に使用された特製の提灯も展示されます。これはパラアーティスト武蔵氏によって作成されたもので、独自の芸術作品とも言えるでしょう。
企画運営の背景
このイベントを手掛ける金の犬殿製作委員会は、大阪市に本社があり、文化財の保存と修理、耐震補強、公開利用の設計に取り組んでいる会社です。その代表取締役を務める冨永善啓氏は、200以上の文化財に対して亜米村市の耐震補強作業を行うなど、長年に渡って日本の歴史的建物の保全に尽力してきました。2017年には「日本イコモス奨励賞」を受賞、2022年には犬小屋「犬殿」を市場に出しました。
参加のすすめ
「金の犬殿・銅の犬殿展」は、ただの展示以上の体験を提供します。伝統的な建築技術に触れつつ、犬と猫の愛らしさを再発見する場です。ぜひこの貴重な機会に、仁和寺での特別な体験をお楽しみください。
詳しい情報は、公式ウェブサイトで確認できます。