オーケーエムと新たな養殖の挑戦
株式会社オーケーエム(滋賀県野洲市)は、各種流体制御バルブの開発・製造を手掛けており、この度、株式会社FRDジャパンが千葉県富津市で建設中の国内最大規模のサーモントラウト陸上養殖プラントに自社のバルブが採用されました。本プラントは、FRDが開発した閉鎖循環式陸上養殖システムを採用し、年間3,500トンという大規模な生産を目指しています。
オーケーエムは、このプロジェクトにおける配管計装工事を担当する日揮株式会社を通じて、養殖に不可欠な水処理・循環システムに使用されるバルブの納入を行います。これにより、持続可能な養殖を実現するための新たな技術が支えられることになります。
環境負荷を減らす養殖技術
近年、世界中で食糧需要が急増している一方、海洋資源の持続可能な使用が求められています。FRDは、海に依存しない新しい食用タンパク源の供給を目指し、そのための水産事業モデルを構築中です。本プラントでは、バクテリアを使ったろ過技術を用い、排水を出さない閉鎖循環方式を採用することにより、環境負荷を軽減しながら高鮮度なサーモン供給を実現しています。
オーケーエムの技術力
オーケーエムのバルブ製品は、水質管理や流体制御において非常に高い信頼性と耐久性を備えており、これが本プロジェクトにおける採用の理由となりました。安定したプラント運営を支えるインフラとして、これまで培ってきた技術力を活かすことができるのは、大きな誇りです。
未来への展望
FRDは本プラントを出発点として、国内外での事業拡大を図っており、将来的にはサーモンの需要に対して持続的な供給が可能な、世界的な陸上養殖産業のリーダーを目指しています。また、オーケーエムも、こうした次世代の産業インフラの構築に向けて、バルブ製品の提供を通じて引き続き貢献していく所存です。
高品質で信頼性の高い製品を通じて、社会の課題解決や持続可能な未来づくりを支援していく考えです。
陸上養殖商業プラントの詳細
- - 所在地:千葉県富津市
- - 生産魚種:サーモントラウト
- - 生産量:年間3,500トン規模
- - 着工時期:2023年7月
- - 操業開始時期:2026年(予定)
- - 出荷開始時期:2027年(予定)
FRDは、今後もこのプラントを中心に、さらなる拡張を計画しています。現在、養殖用水槽が操業を開始している中、FRDの公式サイトにてプラントの予想図や画像が公開されています。
オーケーエムについて
オーケーエムは1902年に設立された企業であり、1952年からはバルブ事業を展開しています。滋賀県に本社を構え、船舶排ガス用バルブでは世界シェアNo.1を誇っています。特に、脱炭素社会を目指し、アンモニアや液化水素対応バルブの開発にも取り組んでいます。これにより、オーケーエムの技術が新たな養殖プロジェクトへと役立つこととなりました。