金融安定理事会がG20金融規制改革の進捗を報告

金融安定理事会（FSB）は、2023年10月13日に、G20の金融規制改革に関する中間報告書を公表しました。この報告書は、南アフリカが議長国を務めるG20からの要請に基づいており、金融危機以降に策定された規制の状況をレビューする重要な文書です。

このレビューでは、特にバーゼルⅢなどの金融規制改革の実施状況に焦点が当てられています。金融安定理事会の議長を務めているランダル・クオールズ氏や、日本銀行の氷見野良三副総裁がレビューチームに参加しており、多方面からの観点が取り入れられています。

中間報告書の中では、「大きすぎて潰せない問題（TBTF）」や、ノンバンク金融仲介（NBFI）改革、店頭デリバティブ市場改革など、いくつかの主要な改革が評価されています。その結果、多くの前向きな進展が確認されているものの、完全には実施されていない重要な改革もあるとの指摘があり、国際的な取り組みに対して一層強力な実施モニタリングが求められています。

具体的には、最近、各国のコミットメントが弱まっている懸念が表明されています。これに対し、FSBは最も効果的な実施モニタリングのアプローチを模索し、その教訓を基にした勧告を次回の最終報告書で提示することを約束しています。

金融規制改革は、金融システムの安定性を保つために極めて重要な課題です。近年では、デジタル通貨や暗号資産市場の台頭により、新たなリスクも浮上しています。そのため、このレビューは規制の実効性を高める必要性を強調しており、今後の進展が注目されます。

経済のグローバル化が進む中で、金融機関や規制当局は、ますます厳格な基準に適応する必要があります。FSBの中間報告書は、これらの取り組みが如何に進められているかを明らかにするだけでなく、今後の国家間の協力に向けた重要なステップとも言えるでしょう。この機会を通じて、金融の安定性を確保するための新たな方針や戦略が打ち出されることが期待されます。

詳細については、金融安定理事会の公式ウェブサイトを通じて確認できます。今後もこの重要なテーマに注目していく必要があります。