公共事業におけるCM方式の活用実態調査結果を紹介します
公共事業におけるピュア型CM方式の活用実態
令和6年9月27日、国土交通省は公共事業におけるピュア型CM方式の活用実態に関する調査結果を発表しました。この調査は、一般社団法人日本CM協会及び一般社団法人建設コンサルタンツ協会の協力を得て行われました。調査結果によると、公共工事におけるCM方式の導入実績が年々増加していることが明らかになりました。
CM方式とは
CM方式(コンストラクション・マネジメント方式)とは、発注者の補助者・代行者であるCMR(コンストラクション・マネージャー)が、発注者の側に立ちながら、様々なマネジメント業務を実施する契約方式の一つです。具体的には、設計の検討や工事発注方式の検討、工程管理、コスト管理などを行います。この方式は発注関係事務を適切に実施することが求められており、公共工事の品質を確保するために重要です。
調査結果
調査期間は平成26年度以降で、CM方式の導入は大きく増加しました。具体的には、約70%から80%の事例で基本計画や基本設計の段階からCM方式が活用されています。特に、建築事業に関しては、市区町村や政令市などの公的機関が発注者の9割を占め、学校や病院、庁舎などの施設が主要な用途となっています。
一方、土木事業では、福島県や宮城県におけるCM方式の実績が顕著であり、特に東北地域が全体の約80%を占めています。土木事業においては、災害復旧事業の割合が多いですが、近年では新規事業や維持管理事業でもCM方式の採用が増加しています。
調査概要
この調査は、業界団体に加盟している企業へのアンケートによって実施されました。対象となったのは、令和5年度までに受注した公共事業におけるピュア型CM業務です。調査結果の有効回答数は654件で、これは47社からの回答に基づいています。前回調査と比較しても、建築事業で438件、土木事業で216件と、全体的に導入実績が増加しています。
このような調査結果は、地方公共団体等への啓発活動に活用される予定であり、今後の公共事業におけるCM方式のさらなる活用が期待されます。国土交通省は引き続き、業界団体と連携しながら、CM方式の効果的な活用を目指しています。
今後も公共事業において、CM方式がどのように導入され、成果を上げていくのかに注目が集まります。