プロドライバー向け交通事故防止マンガがリリース
事業用自動車の運転に従事する方々の安全を促進するため、国土交通省に設置された事業用自動車事故調査委員会が新たに安全運転に関する啓発マンガを制作し、全国の関係機関に配布しました。この取り組みは、2016年の軽井沢スキーバス事故を始めとする痛ましい交通事故を受け、事故の防止と被害軽減を図るものです。
啓発マンガの目的と内容
本マンガは、過去の調査報告書より得た事故事例を基にしています。特に、2021年に発生した中型トラックの追突事故を含む3つの事故事例を取り上げ、わかりやすくストーリー仕立てのフィクションとして描かれています。このマンガを通じて、ドライバーは自身の「自分ごと」として事故を追体験し、安全運転の重要性を再確認することを目指しています。
マンガは全40ページのB5サイズで構成されており、3話のストーリーが展開されています。各話の後には解説ページが設けられており、事故の背景や防止策について詳しく説明されています。この企画により、関係機関は地方のトラック協会や運輸事業者に対して安全運転の啓発を促進する機会を得ることができます。
収録された事故事例
1.
中型トラックの追突事故(山形県東根市)
バス停に停車中の乗合バスに中型トラックが追突し、乗客2名が重傷を負い、そのうち1名が約1年後に死亡するという内容です。
運行計画外の荷下ろしで疲れ、運転中に脇見運転をした結果が追突という形で現れました。
2.
大型トラックの追突事故(滋賀県蒲生郡竜王町)
高速道路での渋滞中に、大型トラックが停止中の乗用車に追突し、3台の多重衝突を引き起こしました。3名が死亡、2名が軽傷を負っています。
「もう少し先で」と休憩を先延ばししたため、居眠り運転の状態で追突を引き起こしました。
3.
大型トラックの衝突事故(滋賀県高島市)
大型トラックが対向車線に進入し、乗用車と正面衝突するという事故です。この事故により、乗用車の運転者が死亡し、同乗者も重傷を負いました。この事故は、ドライバーのアルコール依存症が背景にありました。
事業用自動車事故調査委員会の活動
事業用自動車事故調査委員会は、2014年に設立され、重大事故の原因分析を目的としています。事故の防止策を提言し、社会的な影響の少ない運行が実現されるよう努めています。委員会は人間工学や交通工学などの専門知識を有するメンバーで構成され、様々な方面からの調査結果を基に具体的な対策を講じています。
今後も、事故調査委員会は安全運転の啓発に取り組み、交通事故のない社会を目指して活動を続けることが期待されています。運転者が少しでも事故の危険を意識することで、安全な運行が実現されることを願っています。
このマンガがプロドライバーの皆さんにとって、目を通してほしい一冊となることを願っています。安全運転の重要性が再確認され、多くの人々の命が守られますように。