広島県福山市が不登校支援に新たな歩み、NIJINアカデミーとの連携模索
2023年7月、株式会社NIJINが運営する「NIJINアカデミー」が広島県福山市教育委員会と業務連携を開始し、不登校の小中学生への支援をスタートしました。この連携により、学校に通うことが難しい子どもたちに対し、新しい学びの環境が提供されることが期待されています。
連携の背景と目的
福山市では、不登校問題に対する具体的な対策が講じられてきました。市内にはフリースクール「かがやき」があり、校内クリック支援も展開されてきましたが、まだ十分とは言えない現状がありました。そこでNIJINアカデミーとの提携が実現し、不登校の子どもたちに新たな居場所の提供を目指しています。
NIJINアカデミーの特色
NIJINアカデミーは、全国の小中学生を対象にオンラインでの探究型学習を行うオルタナティブスクールです。特に注目すべきは、メタバース環境を活用した校舎を運営している点です。これにより、生徒たちは自宅にいながらも新しい学びの形を体験できます。
提供される支援内容
以下のような多様な支援が用意されています:
1.
メタバース校舎へのアクセス支援
不登校児童生徒が仮想空間の「メタバース校舎」に参加し、安全に学ぶ場所を提供します。
2.
対話型オンライン授業
知識を一方的に注入されるのではなく、対話を重視した授業を通じて、考える力を育てます。
3.
子ども主体のプロジェクト活動
子どもたちが自分の興味・関心に基づくプロジェクトを設計し、大人は伴走者としてサポートします。
4.
個別学習サポート
学校の勉強に不安がある子どもたちに、自分に合った方法で学べるよう支援します。
5.
安心の心理的サポート
メタバース校舎では心理的安全性が最優先され、必要に応じてカウンセリングなども行います。
教育委員会の視点
福山市教育委員会は、不登校の子どもたちに居場所を提供することが重要だと考えています。これまでの取り組みで、2018年には校内フリースクール「きらりルーム」、2019年には校外フリースクール「かがやき」が設立され、2024年度には約400人の児童生徒がこれらの施設を利用しています。
しかし、まだ支援が行き届いていない子どもたちがいることが大きな課題です。このNIJINアカデミーとの提携により、メタバース空間が新たな学びの場となり、自信を持ったり社会的スキルを向上させたりする一助となることが期待されています。
NIJINアカデミーとは
2023年9月に開校したNIJINアカデミーは、全国38以上の都道府県から500名を超える学生が在籍するオルタナティブな教育機関です。このアカデミーでは、心理的安全性を重視したカリキュラムが用意されており、学校に行かないことを苦にせず、すべての子どもが未来に希望を持てるような環境を整えています。
終わりに
NIJINアカデミーと福山市教育委員会の連携は、新しい形の不登校支援を導入する試みです。このような動きが全国に広がり、より多くの子どもたちにとっての希望の架け橋となることを期待しています。