アカデミストとアスパラが業務提携
日本の学術界は近年、大きな変化を迎えています。国立大学への運営費交付金の減少や選択と集中の進行に伴い、基礎研究への予算が削減される中、研究者たちは新たな資金調達手段を模索していました。その中で、アカデミストが提案するクラウドファンディングサービス「academist」が注目されています。このサービスでは、研究費を集めるだけでなく、学術出版にかかる費用の調達も可能です。
一方、少部数出版や頻繁な改訂が求められる専門書の出版は、従来の出版社では難しいケースが多いです。しかし、最近のPOD(Print On Demand)や電子出版技術の進化により、出版環境は好転しています。これにより、出版サービス「アスパラ」が始動し、少量多品種の専門書がニーズに応じて届けられるようになりました。
業務提携の背景と目的
この度、アカデミストとアスパラは業務提携を結び、著者の負担を軽減する新たな出版モデルを構築しました。通常、著者は企画や原稿作成、そして出版協力金を負担する必要がありますが、今後はacademistのクラウドファンディングを通じて資金を集め、そのままアスパラで出版業務を進めていくことが可能になります。これにより、資金獲得だけでなく、出版物の周知や販売予測にも役立つ販促活動が同時に行えるのです。
具体的な流れや詳細については、特設サイトが設けられており、訪問者はそこから必要な情報を得ることができます。
academist × アスパラ特設サイト
アスパラの特徴
アスパラが手がける出版物、「アスパラブックス」は主に人文社会科学系の研究者との共同作業で刊行されます。市場での需要が見込めない専門的な書籍や、頻繁な改訂が必要な論文など、多様なニーズに応じた出版スタイルが特徴です。
書籍はAmazon Kindle Storeや多くのオンライン書店で販売され、ISBNコードが付与されるため、市場での流通が保証されます。また、Google Play BooksやApple iBooks Storeを通じて海外にも展開され、多くの読者にアクセス可能となります。
academistの魅力
academistは、日本で初めての研究費獲得専門のクラウドファンディングサービスで、研究者が自身のアイデアを実現するために資金を集めることを目的としています。この仕組みにより、研究者は新たな資金源を確保し、より自由な研究ができる環境が整います。
アカデミスト株式会社およびイースト株式会社の取り組み
アカデミスト株式会社は東京都港区に本社を置き、学術系クラウドファンディングサイトやメディアの運営を行っています。活気あるアカデミアの創出を目指し、支援者との良好な関係を構築する努力を続けています。
一方、イースト株式会社は1985年に設立されたソフトウェア開発会社で、新たな技術を取り入れて電子出版環境の整備にも注力しています。彼らの取り組みにより、出版業界全体が次の段階へと進化することが期待されています。
今後の展望
アカデミストとアスパラの提携によって、学術出版の環境は大きく変化するとともに、研究者の発表機会や支援も大きく広がるでしょう。クラウドファンディングの活用により、先進的な学術出版のモデルが確立され、多くの研究成果が世に出る日も近いはずです。
詳細な情報は以下のリンクから確認できます。
結論
今回の業務提携は、学術界にとって新たな出発点となります。研究者は今後、アカデミストのサポートを受けつつ、より自由で効果的な方法で自らの研究を発表できる場が増えることでしょう。