岡山大の新戦略
2024-11-22 00:07:23

岡山大学が小児先天性心疾患に関する新たな細胞治療法を発表

近年、心臓に異常を抱える小児患者の治療は難易度が高く、特に小児単心室症は重篤な状態に至ることが多い病気です。そんな中、岡山大学の研究チームはこの病気に対する新たな治療法について、8年間にわたる追跡調査の結果を発表しました。この取り組みは、同大学病院の王英正教授と平井健太准教授が率いる研究グループによるもので、国内7つの医療施設と共同で実施されたものです。

岡山大学病院では、2011年から2015年の間に小児の単心室症患者に対して自家細胞移植を行い、その後の予後を徹底的に追跡しました。研究チームは、細胞治療を施した40人の患者と、通常の心臓手術のみを受けた53人の患者を比較し、心臓手術後の重篤な合併症や遅発性心不全の発症率が著しく低下したことを確認しました。さらに、細胞治療を受けた患者の生存率も有意に向上していることが明らかになりました。

この研究成果は、米国の心臓病学会雑誌「Journal of the American Heart Association」に掲載され、国際的にも注目を集めています。小児心疾患においては、臓器提供者が不足しているため、心臓移植が遅れている現状があります。今回の細胞治療が、そうした状況を打破する可能性があると期待されています。

研究の成果について、王英正教授は「国内では心臓移植に対する選択肢が限られており、患者が海外に渡航するケースも少なくありません。この研究により、国内で治療を受けられる新たな選択肢が増えることを期待しています。」と述べています。また、平井健太准教授は「研究に協力いただいた患者や共同研究者の方々に心から感謝しています。」と述べ、長期にわたった追跡調査の意義を語りました。

この新たな細胞治療は、心不全に苦しむ小児患者が治療の選択肢を広げ、有意義な治療を受けるための道筋を示すものです。今後も岡山大学の研究成果に注目し、より多くの患者に希望がもたらされることを願っています。今後の研究により、さらに多くの小児患者の生命が救われることが期待されています。


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岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス本部棟
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