大阪・関西万博におけるサンゴ保全覚書調印式
2023年9月15日から10月12日まで、大阪・関西万博内の「BLUE OCEAN DOME(ZERI JAPAN)」にて、フィリピン・サラザー科学工科大学との国際協力に関する覚書(MOU)調印式が行われました。この覚書は、日本とフィリピンのサンゴ保全における連携を強化することを目的としており、環境問題への意識が高まる中、非常に重要な意味を持つものです。
調印式には、サラザー科学工科大学の学長であるオルデン・F・サラザー氏や、アクセンチュア株式会社の大友知絵マネジングディレクター、サンクスラボ株式会社および里海珊瑚プロジェクト株式会社の村上タクオ社長が参加しました。このイベントには、サウジアラビア、バヌアツ、インドネシア、ペルーに関係者も多数招かれ、多くの一般来場者が見守る中、盛大に行われました。
覚書の背景と目的
この覚書の締結に至った背景には、2025年7月に行われたフィリピン海域の視察がありました。サラザー科学工科大学は、海洋研究を長年行っており、豊かな海洋生態系を有しています。今回の取り組みを通じて、同大学の知見を里海珊瑚プロジェクトに活かし、より実効性のあるサンゴ保全活動を進めることが期待されています。
この協定により、両者はサンゴ保全に関する包括的な連携を推進し、海洋環境保護に関連する取り組みを加速させる意向を示しています。具体的には、サンゴの陸上養殖を行い、障がい者の就労機会を提供する新しいモデルを構築していきます。これにより、持続可能な地域社会の実現を目指します。
調印式での発表内容
調印式では、村上社長が里海珊瑚プロジェクトの概要について説明しました。現状のサンゴ環境や、沖縄県のサンゴ礁の保護状況を示す写真を用い、現在抱える脅威に対する意識を高めました。「里海珊瑚プロジェクト」は、障がい者雇用を通じて海の保全をデジタル体験によって実現する新たな仕組みを構築しています。
特筆すべきは、全国どこからでもサンゴ養殖が可能であり、障がい者の方々に新たな就労支援を提供する点です。プロジェクトでは、独自の「水槽DX」技術を駆使して、水槽環境のデジタル管理を行い、効率的かつ安定したサンゴの生育が可能となります。これにより、障がい者自立支援と環境保全活動の両立を目指しています。
フィリピンにおけるサンゴ礁の現状
サラザー学長からは、フィリピンのセブを中心としたサンゴ礁の現状について深い洞察が披露されました。セブ地区では多様なサンゴ種が生息しており、この地域の保全は非常に大きな意味を持っています。学長は、「環境改善や気候変動への適応力強化」という目標に対して、持続可能な経済成長を促進するための具体的取り組みにも言及しました。
今後の取り組み
両者の共同研究により、海洋生態系の再生や持続可能な観光業の発展が期待されます。また、教育やコミュニティに対する啓発活動を通じて、環境保護への関心を高め、さらなる地域貢献を目指します。
アクセンチュアの社会的使命
アクセンチュアもこの取り組みをサポートし、持続可能な発展を目指す社会貢献活動を行っています。世界中で約500万人に対しスキル向上の機会を提供し、持続可能で責任ある経済を実現するための努力が続けられています。
さいごに
里海珊瑚プロジェクト株式会社は、障がい者雇用による新たな社会モデルを作り上げています。沖縄の美しい海を守るための活動として、今後もフィリピンとの連携を深化させていく意向を示しており、国際的な視点での環境保全の重要性がますます求められる時代が来ていることを感じさせます。