江戸川乱歩の名作を声優たちが朗読
2024年9月3日、紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにおいて、江戸川乱歩の名作「化人幻戯」を基にした朗読劇『少年探偵団‐化人幻戯‐』が初日を迎えました。演出を担当したのは深作健太氏で、原作の物語を新たに構成し、オリジナル要素が盛り込まれた作品です。
この朗読劇では、原作に登場する少年探偵団が活躍する場面が中心となっており、成長した小林少年、すなわち小林芳雄も重要な役割を果たします。初日には重松千晴が小林役として出演し、その他のキャストには逢坂良太(怪人二十面相役)、高橋広樹(明智小五郎役)、土屋李央(明智文代役)など、豪華な顔ぶれが揃いました。
開演前の不気味な雰囲気
公演が始まる前、会場では時計の音が不気味に響き渡り、観客の期待感を増幅させます。定刻になり、爆撃音とともに出演者たちが姿を現しました。この朗読劇は、恐怖を伴う連続殺人事件の真実を追求するミステリーです。しかし、物語を通じて「かつて子供だった、すべての大人たちへ――」というメッセージに心を揺さぶられる瞬間が訪れます。
また、「愛」というテーマが物語の根底に流れており、単なる性的な描写だけでなく、親への愛や極めて恐ろしい人類愛の姿も示されます。
声で表現されるキャラクターたちの感情
朗読劇では、話の進行が声の表現によって行われます。文字を通じて読む小説や、視覚的に楽しむ映像作品とは異なり、声だけで情景や登場人物の心情を伝えるのが特長です。登壇する声優たちは、各キャラクターのバックグラウンドや人生観を声で巧みに表現しており、観客はその演技に引き込まれていきます。
さらに、声優たちの抑揚や感情のこもった語り口は、聴く者に深い没入感を与え、物語の内容が心にスっと入ってくるのです。この特別な体験は、朗読劇ならではの楽しみと言えるでしょう。
演出面でもライトと音響効果が非常に効果的に使用されています。観客の緊張感や不安感を高める演出が施されており、1950年代の雰囲気を醸し出す音楽が作品の情景を際立たせます。
多様なキャストによる公演の日々
『少年探偵団‐化人幻戯‐』は、9月3日から8日まで計6回の公演が予定されています。初日に出演する声優陣は日替わりで変わり、小林芳雄役を女性が演じる日もあり、その表現の差異にも注目が集まります。チケットはオンラインで購入可能で、会場ではパンフレットや台本も手に入れることができます。
公演の詳細や最新情報は、公式サイトをぜひご覧ください。江戸川乱歩の世界を新たな形で体験できる貴重な機会をお見逃しなく。
公演概要
- - 会場: 紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
- - 日時: 9月3日(火)19:00、9月4日(水)13:00&19:00、9月5日(木)19:00、9月6日(金)19:00、9月7日(土)13:00&19:00、9月8日(日)12:30&18:00
- - 料金: 全席指定8,000円(税込)・未就学児入場不可
- - チケット購入: チケットぴあ、東京音協WEB会員
- - 公式サイト: 江戸川乱歩名作朗読劇「少年探偵団」
主催・企画・制作:MAパブリッシング/東京音協
問い合わせ先:東京音協
公式サイト
※出演者は変更されることがありますので、ご了承ください。