高齢者と子どもの新たなコミュニケーションの形
2024年11月30日、東京・丸の内の三菱ビルにて、高齢期を迎えた親と子世代を対象として『銀座オヤノコト.塾』が開催されました。このイベントには、都内はもちろん埼玉県や多摩地域からも約100名が集まり、今後の高齢者とその子どもたちの暮らしについて考えました。
開催にあたり、主催の株式会社オヤノコトステーションの代表取締役大澤尚宏氏は、「2025年には団塊世代が全員後期高齢者となる。この変化に備え、具体的な準備を行うことが重要です」と語ります。依然として介護離職やビジネスケアラーといった問題が深刻化する中、参加者たちは互いに情報を共有し、新たな対策を考える機会となりました。
親子間のコミュニケーション事情
本イベントでは参加者に対するアンケートが実施され、親子間のコミュニケーションの頻度が明らかになりました。その結果、「気が向いた時」に連絡する割合は約29%で、これは最も高い数値です。一方、月に1回、週に1回の連絡はそれぞれ17%、14%という結果でした。興味深いのは、毎日または数日に1回の連絡をする人が合計19%存在し、帰省時や用事がある時だけが8%というデータです。
このデータから、高齢者とのコミュニケーションが取れていない現状を垣間見ることができました。感情や体調に応じて連絡をする親子の姿が想像されますが、より頻繁な関わりが求められる時期に来ているのかもしれません。
見守り機器の導入率
さらに、見守りやコミュニケーションを助けるための機器に関する調査も行われました。驚くべきことに、親のために見守り機器やコミュニケーション機器を導入しているという回答はわずか6%でした。これからの時代、高齢者の安全や健康を維持するためのテクノロジー利用がもっと活発に行われることが期待されます。
高齢社会への対応
株式会社オヤノコトステーションは、2008年から高齢者やその家族が抱える社会課題の解決に向け、メディアやイベントを通じて情報提供を行っています。また、2023年に設立された同社の「オヤノコト.ステーション」では、さまざまな相談が可能で、高齢者のための商品やサービスも紹介されています。
大澤氏は「今後も高齢の親子のためのセミナーやイベントを引き続き行い、社会全体で親子の関係を見直していきたい」と話しています。
まとめ
『銀座オヤノコト.塾』を通じて、参加者たちは悩みを共有し、将来に向けた具体的な情報を得る貴重な機会となりました。高齢者とのコミュニケーションは一過性のものではなく、継続的な努力が求められることを改めて認識する場となったのです。今後もこうした取り組みが重要であることは間違いありません。