イヌワシの野生復帰
2025-07-16 16:23:28

南三陸におけるイヌワシの野生復帰計画が始動!日本初の試みと期待

南三陸の自然保護活動が新たなステージに突入しました。公益財団法人日本自然保護協会と南三陸地域イヌワシ生息環境再生プロジェクト協議会が共同で策定した「南三陸イヌワシ野生復帰プロジェクト 実施計画書」。これは、日本国内初となるイヌワシの野生復帰に向けた重要な飛躍です。環境省のイヌワシ保護増殖事業計画に合致することを受け、環境大臣から認定を取得したこの計画。このプロジェクトには専門家チームが結成され、国内外のガイドラインに基づいた検討が進められています。プロジェクトでは、イヌワシの野生復帰の必要性、実施可能性、実施計画が慎重にまとめられています。 2026年6月には、動物園で誕生したイヌワシの第1回目の野生復帰を予定しており、さらには2029年までに3回の復帰が計画されています。また、2014年から継続して行われているイヌワシが狩りを行える環境の再生も並行して推進中です。

イヌワシは、環境省のレッドリストで絶滅危惧ⅠB類に分類されており、かつて南三陸地域で4つがいのイヌワシが生息していましたが、2009年以降、つがいが確認できなくなる事態に陥っています。全国的に見ると、生息環境の悪化や繁殖成功率の低下、つがい数の減少が進み、この種の存続が脅かされています。

この野生復帰プロジェクトは日本におけるイヌワシ保護の新たな一歩を更に前進させるもので、野生復帰技術の確立や、イヌワシの生存率の向上、イヌワシ個体群の補強に向けた重要な成果が期待されています。

さらに、東日本大震災以降、南三陸地域は自然環境の保護を重視した地域づくりを進め、多様な森林利用を促進しつつ、地域の林業振興にも尽力しています。本プロジェクトは、生物多様性の復元と地域産業の活性化を同時に目指す、日本のネイチャーポジティブの取り組みとして位置づけられています。

この重要な計画に関しては、2025年7月30日に南三陸町でフォーラムを開催します。「南三陸イヌワシ野生復帰フォーラム~イヌワシ・アゲイン!野生復帰への挑戦」と題されたこのイベントには、南三陸地域イヌワシ生息環境再生プロジェクト協議会の会長を務める鈴木卓也氏を始めとする専門家が登壇し、計画の詳細とその意義が紹介される予定です。このフォーラムは参加費無料で、事前申し込みも不要です。地域の皆様のご参加をお待ちしております。

このプロジェクトの成功が、南三陸の地方創生と生物多様性の回復に繋がることを願っています。自然を守る活動が多くの人々に浸透し、持続可能な社会の実現に寄与するための第一歩となるよう、共に応援して参りましょう。


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公益財団法人日本自然保護協会
住所
東京都中央区新川1-16-10ミトヨビル2F
電話番号
03-3553-4101

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