阪神電気鉄道株式会社は、2024年4月12日に開業120周年を迎えるにあたり、急行用8000系車両を人気のある「赤胴車」のデザインに変更することを決めました。この施策は、かつて1984年に登場した「赤胴車」への回帰を目指しています。
「赤胴車」として知られる8000系車両は、ツートンカラーの「バーミリオン」と「クリーム」の組み合わせが特徴で、長年にわたり多くのファンに親しまれてきました。しかし、2001年から2015年にかけて実施されたリニューアル工事により、そのデザインは9300系に合わせて変更され、最終的にはすべての「赤胴車」が運行を終了しました。2020年6月に武庫川線で運行していた7990・7890形も引退し、「赤胴車」はその存在を消しました。
そんな中で、利用者から「赤胴車の復活を希望する声」が多く寄せられ、阪神電気鉄道は社内での議論を重ねた結果、開業120周年の特別な施策としてこの復活を決定しました。これにより、全19編成の8000系車両が、今後3~4年をかけて「赤胴車」デザインに変更される予定です。
具体的には、最初の編成である8215編成が2025年5月下旬頃から運行を開始します。この変更は単に見た目の復活にとどまらず、阪神電車のエモーショナルなブランド価値を再確認する絶好の機会にもなります。阪神グループは、「“たいせつ”がギュッと。」というスローガンのもと、お客様一人ひとりの大切な思いに応え続けることを目指し、様々なブランド体験を提供していく方針です。
さらに、この発表に合わせて、記念ロゴマークの制定や、阪神グループのブランド価値経営に基づいた合同ポスター企画もスタートします。これにより、阪神グループはファンとの絆をより深め、地域貢献に努めていくことが期待されています。
阪神電気鉄道の新たな取り組みは、ただの復刻にとどまらず、地域との結びつきを強める重要な施策となるでしょう。これからも利用者に愛され続ける電車になるよう、阪神電気鉄道の歩みから目が離せません。今後の展開に期待が高まります。