松崎人形の挑戦
2025-02-06 10:22:03

株式会社松崎人形が挑戦する新たな伝統工芸の創造と未来への展望

伝統と革新が交差する松崎人形の挑戦



手作りの温もりと深い芸術性を誇る株式会社松崎人形は、1920年に創立されて以来、日本の伝統工芸として人形作りを続けてきました。その独自の技術を持つ松崎人形は、合同展示会「東京インターナショナル ギフト・ショー」に参加し、次の100年に向けた挑戦を発信しています。

古き良き技術の継承



松崎人形は、江戸木目込人形と江戸節句人形という2つの伝統工芸を一手に扱える国内唯一のメーカーとして知られています。創業当初の1920年には、わずか30坪ほどの小さな工房から始まりましたが、需要の増加に伴い1947年に足立区に拠点を移しました。今では、3代目の松崎光正氏と4代目の松崎篤氏が共に、伝統技能の継承と新たな挑戦を推進しています。

「台東区では小さな工房でしたが、需要に応じて拡大し、今では足立区で根を下ろしています。この地域の開放感あふれる環境が、私たちの創造活動にも良い刺激を与えているのです」と光正氏は振り返ります。

足立ブランドへの参加



地域社会との繋がりを深めるために、「足立ブランド」に参加した松崎人形。足立成和信用金庫との関係を通じて契約し、地域との協力を強化しています。光正氏は「私たちが長い間努めてきた伝統に敬意を表しつつ、地域との連携を強化することで、より多くの人に認知してもらいたい」と語ります。

人形づくりの独自性



松崎人形の魅力の一つは、独自の技を駆使した江戸木目込人形と江戸衣装着人形を共に手掛ける点にあります。木目込人形は胴体に布地を押し込みづけ、色や柄を用いて表情を演出。その細やかな技術を駆使し、一つ一つの人形が生み出されます。また、衣装着人形では、頭部の造形が重要であり、職人の手によって微細な表情まで作り込まれます。

「人形作りは数十に上る工程があり、それぞれに高い技術が求められます。松崎人形では、頭部から胴体まで全てを自社で手掛けています。この全体を自社でコントロールできることが、私たちの強みです」と篤氏は説明します。

新たな挑戦「anima」シリーズ



技術を守りながらも、新しいアプローチとして生まれたのが「anima」シリーズです。光正氏は「フランス人デザイナーとの出会いがきっかけで、形を変えた作品群が生まれました」と語るように、海外での認知度向上にも寄与しています。新たな人形のスタイルは、従来のものとは一線を画すものとの印象を持って、多くの方に支持されています。

DIYキットやワークショップの開催



松崎人形は、単に製品を提供するだけでなく、一般の方々が実際に人形作りに触れる機会も設けており、ワークショップやDIYキットの開発にも力を入れています。特に、「クマ」をモチーフにしたDIYキットは、子供時代の思い出の服を用いて自由に作ることができ、愛着を持った一品を生み出す楽しみを提供しています。

若手職人の育成と未来への展望



現在、松崎人形には10名の職人が在籍しており、その中には若手職人も多いです。「職人としての基礎をしっかりと教え、数をこなすことでスキルを上げていく。これから若手職人たちの成長を見守っていくのも楽しみです」と光正氏は述べています。また、光正氏の雅号は「幸一光」であり、今後は職人たちの作品をこのブランド名で展開するビジョンを持っています。

持続可能な伝統工芸文化の構築



少子化やライフスタイルの変化など、伝統工芸を取り巻く環境は厳しくなっています。しかし、松崎人形は「物作りの楽しさを発信し、それを実現に向けて努力し続けることで、伝統工芸は生き残るべきだ」と信じて新たな挑戦を続けています。手作りには温もりがあり、それを大切にしながら新しい価値の創造を目指しています。

株式会社松崎人形は2025年2月12日から14日まで、東京ビッグサイトで開催される「第99回東京インターナショナル ギフト・ショー」に参加します。演出される美しい人形たちに触れ、伝統工芸の奥深さを感じていただきたいと思います。


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会社情報

会社名
足立ブランド
住所
東京都足立区中央本町一丁目17番1号足立区産業振興課
電話番号
03-3880-5869

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